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2019年10月

2019年10月31日 (木)

ドラマ『同期のサクラ』 ~第2話を見て~

◆ サクラの感性 ◆

昨夜第2話を見て、私はサクラの感性が凄いと思いました。

ストーリーはサクラが入社から1年後から始まります。


サクラと同期で、営業部に配属された応援団出身の『清水菊夫』。

彼が、顧客側に付く上司の部長と現場の下請け業者との板挟みの中で苦しむのです。

サクラは、人事部として会社方針の残業時間削減のため、各部署にお願いに回ります。

営業部長は、サクラの言葉には耳を貸さず、後輩でもある『菊夫』を、『お前のため』、『育ててやっている』などの言葉で縛るのです。


いわゆる、『パワハラ』です。


菊夫は、そんな部長に抗えず、身体を心配するサクラの言葉を振り切り、部長と共に接待に行くのです。


サクラは帰宅し、葛藤します。


みんなによく大人になれって言われるんだけど、そうすれば彼を助けることは出来るのだろうか?

でも、どういう人を大人というのだろうか?

私にはわからない・・・。

じいちゃんのコロッケが食べてぇ・・・。


サクラは、サインペンでそう記した手紙をじいちゃんにFAXするのです。

すると、間髪置かずに、じいちゃんから毛筆で達筆に大きく書かれた言葉の返信が来るのです。


大人になるとは

自分の弱さを認めることだ

と思う  自信はないが


それを見たサクラの元に、会社から菊夫が倒れたとの連絡が来るのです。

サクラは、菊夫が運ばれた病院のベッドの横で、菊夫の仕事の書類を見ています。

その時、菊夫が目を覚まして二人の会話になるのです。


サクラちゃん?!


大丈夫ですか?菊夫君・・・。


うん、そっちこそ何やってんの?


すいません、菊夫君が担当している図書館の完成図を見ていました。


でも、これは良いです!

ひじょーに良い!!


北欧風のデザインを取り入れ、外層は奇抜なのに中は過ごしやすい空間になっていて、

ガラス張りなのに陽の光が本に当たらない様に計算されています。


見易いように設置された書架。

考え尽くされた動線。

子どもや大人にも優しいスロープ。

どれもが市民の憩いの場にしたいと言う、作り手の愛と願いに溢れています。


相変わらず建物が好きなんだね・・・。


はい、菊夫君もそうでしょ?


サクラちゃんは仕事辛くないですか?


どうしてですか?


だって、故郷の島に橋を架けたいから、土木志望だったのに人事に行かされた・・・。


今は、人事に配属されて良かったと思っています。


なんで?!


人事は、全ての部署と接しなくてはいけないので、仕事をしているうちに分かったんです。


何処の部署の人も、うちの会社を支えているんだって。


広報は、会社のイメージアップやメッセージを伝えるために毎日地道な仕事をしているし、

設計部はゼロからイメージを固めるため、何度も何度も試行錯誤して良いものを生み出そうとしているし、

都市開発部は、沢山の人が幸せに暮らせる街を提案するため、行政や住民の人たちと何度も打合せしているし、

営業部は、会社とお客様の橋渡しをする大変な仕事で、

人事は社員の健康とより良い環境作りをいつも考えて、みんなが少しでも良い仕事が出来るようにサポートしています。


私たちは、会社全員で建物を造っているんです。


(サクラは菊夫に図書館の完成図を手渡します)


すごいなぁ、サクラちゃんは・・・。


それに比べて・・・

何やってんだろう、俺・・・。


この頃、夜は眠れないし、朝は会社に行くのが辛くて・・・

会社でも部長に怒られてばっかりだから、いっそのこと辞めちゃおうかと思ったけど、仕送りしなくちゃいけないから・・・

それも出来なくて・・・


なんかもう、自分が何のために働いているのか分かんなくなっちゃった・・・

いつか家族のために家を建てたいと思っていたけど、そんなの無理っすよ・・・(泣)

なんで、こんなことになっちゃったんだろう・・・(泣)


俺はただ、仲間と一緒に働きながら、頑張っている人を応援したいだけなのに・・・


サクラちゃん、俺、どうしたら良いんすか?


(キョトン)


それは・・・。

私には良く分かりません・・・。


(サクラは手を挙げます)


じゃあ、また明日。


行っちゃうんですか?


すいません、良いことを言えそうにないので。


(コツコツコツコツ)


(サクラが振り返って言うのです)


でも、菊夫君は今、少し大人になったのかも知れません。


どういうこと?


大人になるとは、自分の弱さを認めることだって、じいちゃんが言ってましたから・・・。

参考になるか、自信はありませんが・・・。


それから、私は会社のみんなを応援したいと思う菊夫君は凄いと思いました。

ずっとその気持ちを持ち続けて欲しいとも思いました。


ただ、菊夫君が今一番応援すべきなのは、あなた自身じゃないでしょうか?


力一杯、自分のお尻を叩いて下さい。

それが出来るのは、菊夫君しかいません。


私は、この場面を見て、サクラの感性の素晴らしさを感じました。


図書館の完成図を見て、市民の憩いの場にしたいと言う、作り手の愛と願いを感じ取る感性。

土木志望だったのに人事に配属されたことで、普通の人なら腐ってしまう様な境遇を、本来知ることが出来ないはずのことを知ることが出来た喜びに変えている感性。

菊夫の本音と本心に対し、良いことが言えそうにないからと、帰ろうとする感性。

帰り際に、じいちゃんの言葉を思い出し、振り返って菊夫を認める感性。

そして、今一番応援すべきは自分自身なんだと諭す感性。


私は、こういう子と仕事をしたら、大変だろうけど、楽しいだろうなぁと思うのです。

ただ、そう思える人も、実は極一部で、ほとんどの人は、『面倒くさい奴』と思うのではないかとも思うのです。


そして、私はこの場面の、『菊夫君が今一番応援すべきなのは、あなた自身じゃないでしょうか?』という言葉を聞いて、気づいたのです。


サクラの言う決め台詞。


「私には、夢があります!」

「故郷の島に橋を架けることです!!」


「私には、夢があります!」

「一生信じ合える仲間をつくることです!!」


「私には夢があります!」

「その仲間と沢山の人を幸せにする建物を造ることです!!」


サクラは、この言葉を誰かに向って大きな声で正々堂々と言い切るのですが、この言葉は、きっと他者に言っているのではなく、自分自身に言っている言葉なんだろうと思ったのです。

サクラは、自分が弱った時、くじけそうになった時にこの言葉を言っているのです。


これからの展開が楽しみです!


頑張れサクラ!!


『サクラの感性』 (了)

自己実現塾 0 ~10月期~

◆ 川の流れのように

私は、この度、野口嘉則先生主催の『オンライン自己実現塾/自分づくり&自己受容コース』を受講することにしました。


この塾は、『自己実現』といっても、単なる成功法則や成功哲学のようなものを学ぶものではないと、私は思っています。


この塾でいう『自己実現』とは、『自分の内なる可能性を最大限に発揮して、真の自分らしさを体現すること』としています。


それは、簡単に言えば、『如何に自分らしく幸せに生きるか』ということだと、私は解釈しました。

そして、心理学者のユング博士が、『自己実現こそ人生の究極の目的である』と述べていることに対し、野口先生が自らの経験体験から、自己実現していくためには、まずは、『自分という人間の土台づくり』の必要性に気づき、自らの身を持って体現して来たことを体系的なプログラムにまとめ上げ、それを伝えていくことが、この塾の目的だと感じたのです。

更には、塾の目的の裏には、野口先生個人の『一人でも多くの人を幸せにしたい』という想いを感じました。


それは、12ヶ月という受講期間の長さや、料金のお手軽さ、月謝のような支払方法、そして、もしやめたくなったら途中でやめられるという募集内容から、野口先生の塾がお金目的では無い、何か別の目的を感じたのです。


私は、昨年暮れに、自分の天命みたいなものに気づきました。

それは、私自身の人間としての『生きる目的』です。

そしてその時、その目的を自分流に言葉にしました。


『私が死の時を迎えた時、人生に一切の後悔も無く、満足感を持って、笑って死んでいけるように生きること』。

それは、『天命を全うする』ということ。

それは、『死の瞬間を迎えるその時まで、人生の完全燃焼を目指し、全力で生き抜くこと』。


私は、そう決めたのです。


そのような私にとっては、正に、『如何に自分らしく幸せに生きるか』と、イコールだと思ったのです。

とするならば、今の私にとっては、『自分という人間の土台づくり』が必要だということです。


そして、その考え方は、毎月行っている私たちの研修においても同じなのです。

樹に例えたら、根っこです。

その根を如何に育てるかが最も大切なことだと、私は思っています。


私は、毎月行っている研修から毎回沢山の気づきを得させて頂いています。

しかし、もしかしたら、更なる養分を私の根は求めているのかも知れません。


私は、何故か十代の頃から、『死』を見据えた生き方をしてきました。


「人間は死ぬために生きているんだ」

「人間は生まれた瞬間、『死』というものに向って生きていく生き物なんだ」

「寿命という目に見えない、人それぞれに与えられた時間を如何に使って生きるのか」

「その天から与えられた時間を使って何を成すのか」


そう考えて生きて来ました。


そして若い頃は、『細く長い人生』より、『短くても太い人生』の方が良い。

『50まで生きられれば十分』と考えていました。


そして、50前後の数年間、私は自分の生きる意味や目的を見失いました。

しかし、約1年前に、やっと自分の生きる目的と、これまでのしくじりばかりの人生の意味を見出せたのです。


私が野口先生の著書に初めて出会ったのが、約6年前でした。

私が2度目の離婚をし、息子と別れた寂しさの中で、何とか自分を維持しようと救いを求めて読んだ本が、『これでいいと心から思える生き方』でした。

当時の私は2~3度読みましたが、本の内容を頭では理解出来ても、心で受け容れることが難しく感じました。


それが、今年の5月頃、ひょんなことからもう一度読もうと思い、数年振りに読んでみると、めちゃくちゃ心に沁みてきたのです。

その時初めて、私は野口先生自体に興味を持ち、先生の別の著書も読んでみたくなったのです。


そして、6月に『鏡の法則』『3つの真実』、7月に『心眼力・文庫版』を読みました。

どれもこれも、自分のことが書かれているように感じたのです。


特に『心眼力・文庫版』に収められていた、『人生は引き算で輝く』に出て来る老人は、未来の自分なのではないかと思ったほどです。


そして、8月に『心眼力・文庫版』の音声ダウンロードを行い、出版社のメルマガを登録し、野口先生のメルマガ『自己受容7つのステップ』を知り、登録しました。

その直後、『鏡の法則』のミュージカルを知り、9月にミュージカルを観に行き、そして今月、この塾に出会ったのです。


私にとっては、正に『導かれている』としか思えませんでした。

更に私は、これまでの野口先生がメルマガで引用されている言葉で紹介している著書を何冊か読んで来ました。


どれも良いものばかりでした。


特に『愛の論理』には、衝撃を受けました。


『恋』は、『感情』。

『愛』とは、決断、意志、能力に支えられた『行為』。


私の中で、何かモヤモヤした感じで、感覚では理解しながらも、言葉に出来なかった部分がハッキリと言葉にされていたのです。


私は、これまでの経験体験や研修などから、色々な気づきを与えて頂きました。

しかし、それは自分の感覚的なもので、自分流の話し方でしか表現できないのです。

そうすると、私を理解しようとしてくれる人、私と似たような感覚の人、似たような生き方の人、似たような性質の人など、一部の人にしか伝わらないのです。


若い頃は、それでいいと思っていました。

分からない人には分からなくて良いと。

分かる人だけが分かってくれれば良いと。


でも、今は違うのです。


その為には、私が感覚として捉えていることを、もっと論理的に私自身が理解し、伝えられるようになりたいと思っているのです。

その為には、言葉を知り、表現方法の幅を広げることだと思ったのです。


そして、自己実現塾の人間としての土台づくりのテーマが『自己受容』


私は、野口先生のメルマガと動画から自己受容の重要性を感じ始めていました。

そして、ひょんな閃きで始めた、自分の生きて来た道を小説風に書くこと。


それにより、過去の出来事を、単に『出来事』としてしか捉えていなかったことに気づいたのです。

そして、その出来事で生じた、当時の自分の気持ちに気づき始めたのです。

更には、その自分を俯瞰している自分にも気づきました。


それにより、『出来事』というものは、単なる現象にしか過ぎないことを知りました。


そして、大切なのは、『出来事』そのものではなく、その『出来事』から生じた気持ちであることに気づいたのです。


同時に、それまで全く自己受容できていなかった自分にも気づきました。

そして、書けば書くほど、自己受容が進んで行くことに気づいたのです。


9月下旬に、『俺の道~恋愛編~』を書き上げた時には、今後更に自己受容が深まっていった時に出会えるであろう、新たな自分に期待する自分が生まれて来たのです。


私は、野口先生が『自己受容7つのステップ』の動画の中で言っていた言葉を思い出しました。


「自己受容は深め続けることが大切」

「自己受容は奥の深い世界」

「人間は自己受容の途上にある」

「自己受容は自分を知ることになる」

「自己受容を旅に例えると、自分を知る旅といえます」


それらの言葉を思い出した時、私は思ったのです。


諸行無常だと。

人間が常に成長し変わり続ける以上、死ぬまでゴールはないのだと。

生きている限り、自己受容し続けることだと。


それは、自分を大切にするということ。

自分を愛するということ。

そして、他者を愛するということ。


それに私が気づいた矢先にこの塾のご紹介でした。

そんな私にしてみたら、受講しない理由を見つける方が難しいくらいでした。


私は10月12日に受講の申し込みを行いました。

本講座は11月1日の開始ですが、その前に受講申込者に対する特典動画がありました。

私は、その動画を13日に視聴しました。


『人間力を高める学び方』というものでした。


その動画を見て、私は最初に自分が受講を選択したことに間違いがなかったことを確信しました。

そして、受講することにして本当に良かったと思ったのです。


動画では、動画の見方を話され、アウトプットの大切さと葛藤の価値について話されていました。

野口先生の話しは、穏かに話しながらも単なる説明ではなく、論理的でありながらも心に響いて来て、人に気づきを与える話し方だと、改めて感じたのです。

私がこれまで出会って来た方(話しを聞いて来た方)で、これほど穏かに話しながらも心を打ち抜いて来るような話し方をしてくれた方は、野口先生が二人目でした。


初めての方は、桜井よしこさんでした。

私が桜井よしこさんのスピーチを初めて聞いたのは30歳位の時でした。

私が30代の頃は、名だたるトップ経営者の方々と多数お会いさせて頂きました。

熱く語り、気分を高揚させてくれるような話し方をされる方は数多くいました。

しかし、穏かに話しながらも、心底心を振るわされる話しを聞いたことはありませんでした。


穏かに理路整然と話しながら、最後には気づきを与えられ、衝撃を受けるような話し方をされる方に出会ったのは、桜井よしこさん以来20数年振りでした。

正に、今の私が求めているものがそこにあるような気がしたのです。


その話しの中で、私が一番気づかされたのは、アウトプットの大切さの話しでした。


海(海流)や川には流れがあるから、水は澱まない。

しかし、池や沼には流れがないから、水は澱んでしまう。

人も同じで、知識や情報をインプットするだけ、頭の中に置いておくだけでは人は何も変わらない。

インプットしたものを、日常生活の中で行動に移し、実践していくことが重要であり、それがアウトプットしていくことだと。

インプットとアウトプットの良いサイクルの循環を作ることが大切だと話されたのです。


私は、その話しを聞いて思ったのです。

野口先生は、特別なことを言っている訳ではないと思いました。

しかし、私には、『水が澱む』という表現が、妙に心に沁みて来たのです。


「なるほど・・・」と。


『流れがないと水が澱んでしまう』

それは、「人間関係においても一緒だなぁ・・・」と。


自分が言いたいことを言わず、聞きたいことを聞かないこと。

それは、自分の想いを堰き止めてしまっているということ。

すると心は澱むのだと。

自らが澱ませているのだと。


心が澱んで来ると、次第に疑念、不信、不安を生んでしまうと。

そして、人間関係に歪が生じて来るのだと思ったのです。


人間関係を円滑にして行く為には、「自分の想いを留めて澱ませないことなんだなぁ・・・」と、感じたのです。

そして、浮かんで来た言葉が、『川の流れのように』でした。


私はその日の夜、風呂に入りながら、YouTubeで『川の流れのように』を視聴しました。

すると、その数日前にNHKで放送された、AIで再現された美空ひばりの新曲、『あれから』を知り、視聴しました。


AIの美空ひばりが歌う曲に涙する観客の姿を見て、私も涙が溢れて来ました。

「AIもこういう使われ方をすると、幸せになれる人が沢山いるんだろうなぁ・・・」と、感じたのです。


そして、何故か田坂広志先生の動画が続いて出て来たのです。

私は、それまでに田坂広志先生のことは知ってはいても、本を読んだことも無ければ、動画を見たこともありませんでした。


丁度その直前の野口先生のメルマガで、田坂先生の知性についての言葉を引用されていたことで、その動画も視聴してみることにしたのです。

結果的に、私は田坂先生の動画を3本視聴しました。


その中で田坂先生が繰り返し述べられていた、『3つの真実』


1.人は必ず死ね。

2.人生は一度しかない。

3.人はいつ死ぬか分からない。


そして、3本目に見た動画の最後に言っていた言葉。


『使命』とは、命を使うということ。


『使命』と書いてある紙の裏側には何と書いてあるのか?

『志』


志と似て非なるもの。

『野心』


『野心』とは、己一代で何かを成し遂げようとする願望。

『志』とは、己一代では成し遂げ得ぬほどの素晴らしき何かを次の世代に託する祈り。


その言葉を聴いた瞬間、私の心は震えました。

涙が溢れて来ました。

そして、田坂先生は最後に問いかけたのです。


「一回しか無い人生」

「必ず終りがやって来る人生」

「いつ終わるか分からない人生」

「そのかけがえのない命、何に使われますか?」


私は、この問いかけに応えられるような生き方をしたいと思いました。

そして、野口先生は、きっとこの問いに応えようとしているのではないかと感じたのです。


全ては繋がっている。

全ては導かれている。

私は感じずにはいられませんでした。


川の流れのように・・・。


私は、この塾で学ぶ事で、カウンセラーになりたいとか、今手伝っている研修で優秀なインストラクターになりたいとか思っている訳ではありません。

特別に何かのビジネスにしたいと思っている訳でもありません。


ただ一つ思っていることは、私とご縁があってこれまでに付き合って来てくれている方々や、これから出会って行く方々に、『共感』や『受容』という形で、何かを与えられる自分になって行きたいと想うのです。

そういう方々の役に立つ生き方をしていきたいとの想いなのです。


そして、この自己実現塾は、野口先生からの動画やメールレターだけではないのです。

野口先生もご参加され、受講生同士の情報交換や意見交換が出来るコミュニティ・フォーラムがあるのです。

私は、そこからの気づきが計り知れないのではないかと楽しみなのです。


そして、これから1年間学んでいく中で、この塾が終わった後でも、その後どれだけお付き合いして行くことが出来る仲間と出会うことが出来るのか?

一人でも多くの方とそういう出会いが出来ると良いなぁと思うのです。


今シーズンのTVドラマで私が最も注目しているドラマが、高畑充希主演の『同期のサクラ』。

このサクラの決め台詞に私は感動しました。


「私には夢があります! 故郷の島に橋を架けることです!!」

「私には夢があります! 一生信じ合える仲間をつくることです!!」

「私には夢があります! その仲間と沢山の人を幸せにする建物を造ることです!!」


人は心の中で思っていても、口には出せないこと、出し難いことが沢山あります。

しかし、このサクラは、正々堂々とそれを声に出して言うのです。

それも、相手が自分の上司であろうと会社の社長であろうと、誰にでも。


その分周りとの衝突も多いのです。

そして、本人の葛藤も沢山あるのです。

それを陰で支えるおじいちゃんの存在。


サクラがFAXで送った悩みに対し、おじいちゃんは達筆な筆字で書いた言葉をFAXで送り返して来るのです。

沢山の気づきを与えてくれるドラマだと思いました。


私は、今回共に『自己実現塾』を受講されるみなさんは、野口先生の下に集まった同期生だと思っています。


これからの1年間、私もサクラのように、楽しく学んで行きたいと思うのでした。


人生という、川の流れに身を任せ・・・。


私が若い頃大好きだった『ブルース・リー』が残した言葉。


   人生は水の流れに似ている

      時には不愉快なことが現れ

         心に傷跡を残すが

            全ては水のように流れていく


自己実現塾 0 (10月期) ◆ 川の流れのように  (了)

2019年10月30日 (水)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (33) <最終回>

(33)道は開ける?!

MISIAの『アイノカタチ』の「あれっ?!」、「えっーーーーー!?」のシンクロをきっかけに、『鏡の法則』のミュージカルチケット獲得後の俺の内面の変化は、俺の予想だにしない展開をして来た。


特に8月中旬からの3週間は、怒涛のような3週間だった。

この小説を書きながら、知らぬ間に本当の自分と巡り会い、何度となく涙した。

この小説は、間違いなく今後の俺を変えていく第一歩になると思う。


きっと、羊から山羊くらいには成長出来るのではないかと思う。

俺は時々、悩んでいる人に対し、この言葉を贈っている。


『 Where there is a will , there is a way 』(意思のあるところに、道は開ける)

今の俺は、俺自身に贈ってあげたいと思っている。


そして俺は、『俺が主夫になる』という方法論を得たことで、これまで閉ざされていたはずの扉の片側は、既に開かれたものと思っている。


あとは、残りの片側の扉を開け、真っ直ぐに突き進んで行く為の『勇気』『情熱』なのだろうと思うのであった。


この先、俺の人生に待ち構える、『困難』や『喜び』はどのようなものになるのか?!


この物語の続きを楽しみにしている読者は、まだいない。


しかし、この物語の『主人公』は、きっとこの続きを一番楽しみに期待しているのではないかと思う俺なのであった。


『俺の道』 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (完)

2019年10月29日 (火)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (32)

(32)歳の差婚の勇気

俺が大好きになった大切だった人たちは、なぜか歳の差婚が多かった。

バツがある人もいれば、無い人もいるが、大半はバツがあるのだ。


40歳の時に18歳の奥さんを貰ったIさん。

40代半ばに12歳下の奥さんを貰ったGさん。

W不倫で、30代前半に21歳上の旦那さんに嫁いだMさん。


そして、芸能人としては、加藤茶の45歳差を筆頭に、市原正親と篠原涼子の24歳差とか、石田純一と東尾理子の22歳差が有名だ。


俺は、そういう人たちをめちゃくちゃ羨ましく思っている。

しかし反面、凄い勇気だとも思うのであった。


俺もこれまでの経験としては、35~40の頃、何人かの1回り以上年下の子、最大19歳下の子と付き合ったことはあった。

しかし、みんな何を考えているのかが分からず、3ヶ月程度が限界だった。


そういうことを考えると、年上側は単なる欲望だけでは、歳の差婚のプレッシャーからは逃れられないと思うのだ。


年上側の受け入れる勇気。

そして、年下側の飛びこむ勇気。

俺は、ずっとそう考えていた。


しかし、ここまで書いて来て、それが少し違う様な気がして来た。

肉体として見た時の年齢ではなく、『魂』で見ると違うのではないか・・・?


年上側の飛びこむ勇気。

そして、年下側の受け入れる勇気。


なんか、そんな気がして来たのだ。


良く考えてみると、俺が大好きだった早くに亡くなって逝った人たちの男性は、みんな子どものようなところがあった。

そして、その奥さんたちとMさんは、俺にとっても姉や母のような母性的な人たちばかりだ。

俺より年下な人でさえも・・・。


そして、みんな旦那さんを深く愛していた。

綺麗で能力も高い人たちばかりだった・・・。

その気になれば直ぐにでも再婚出来そうな人たちばかりだったのに・・・。

みんな未亡人のままだった・・・。


しかし、どちらにしても、双方、物凄い勇気がいるのだろうなと思うのだ。

そして、その勇気を振り絞るだけの情熱。


それを持てていたことを羨ましく思うのだ。

そして、きっとその勇気は、女性が男性に与えていたのだろうと思うのだった。


お互いがお互いを尊敬し合える仲、尊重し合える仲、そして同志・・・。


アドラーの『幸せになる勇気』には、こう書かれていた。


「愛とは、人生の主語を、『私』から『私たち』に変えること」

果たして、今の俺にそれだけの『勇気』と『情熱』を持つことは出来るのだろうか・・・?


今後、『勇気』と『情熱』を与えてくれるような女性と巡り会うことは出来るのだろうか?


そういえば、俺の親友Tも40歳の時に18歳下の奥さんを貰ったのだった。

今度飲んだ時にでも、実際のところはどうだったのかを聞いてみようと思う、俺なのであった。


(つづく)

2019年10月28日 (月)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (31)

(31)新たな期待する俺の誕生

俺は、遥ちゃんとKがタバコを吸いに一緒に駆けていく後ろ姿を見て、「良かったなぁ」と思えたのだ。


更には、俺が小説を書きながら気づいた方程式が、人の心に寄り添えるものであることの確認も出来たのだった。


俺は研修後、この小説自体に価値があるのではなく、書くこと、そしてその時々の俺自身の感情を知ることに価値があったのだと、改めて気づいたのだった。


もう、遥ちゃんにこの小説を手渡す必要は無くなったと思った。

俺はこれからの彼女に対し、これまでと変わらぬ想いで、彼女と普通に接して行けば良いと思った。


彼女の新しい恋を、彼女の幸せを願いながら、普通に応援していけば良いと思ったのだった。


俺のたった10日間にもみたない『恋』は、ここに幕を閉じたのだった。

しかし、何故か恋が実るよりも大きな充足感が生まれているのであった。


きっと、27年前の離婚で傷ついていた自分に気づき、それを癒せたことが最大の成果のような気がするのだった。


そしてそれにより、俺が目指す、『大きな樹のような人間』に、一歩近づけたのではないかと思えたのであった。


更には、今後訪れるであろう新たな『恋』に、期待する俺が生まれたのであった。

今回の遥ちゃんへの想いは、きっとそのためのステップだったのではないかと思えたのだった。


何せ、中3以来、約40年ぶりの『恋』だったのだから・・・。

それが少しだけでも、『出来た!』と思えただけで、妙な幸せを感じている俺なのであった。


そして俺は、この小説をBLOGにすることに決めたのだった。


(つづく)

2019年10月27日 (日)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (30)

(30)小説化の成果

俺は、前話まで書いて9月度の研修に参加した。


それまでの俺は、この小説を完成させ、21日の『鏡の法則』のミュージカルに遥ちゃんと行くことが出来たら、その時にこの小説を渡そうと考えていた。


しかし、研修を終えた今は、もうその必要が無いことに気づいたのだった。


Wさんの店の仮オープンの時にKのハットを被り、笑顔でいた遥ちゃんに、俺は嫉妬を憶えた。


しかし、そのハットを被ったのが、彼女からの行為だったのか、Kからの行為からだったのかにより、意味が違ってくると、俺は考えていた。

それは、俺が昔のK社長の手口を知っているからだった。


遥ちゃんが笑顔であった状況から考えると、多分、付き合っているのだろうなぁとは思ったのだが・・・。

ただ、遥ちゃんの純真さを考えると、誰に対しても自然とそう出来る人だとも思っている俺がいて、まだ半信半疑なのだった。


しかし、研修2日目の午前中に俺は確信を得たのであった。

遥ちゃんとKの二人のサンダルが同じサンダルだと気づいたのだ。


そして、その日の夜、タバコ休憩の時、二人で並んで走っていく後ろ姿を見て、俺は嫉妬では無く、『良かったなぁ』と思っている俺に気づけたのだった。


遥ちゃんの新しい『恋』が始まったんだなぁと、思ったのだ。

5月に前の彼氏と別れ、傷ついていた彼女が、完全に元気になったのだと安心したのだ。


そして俺は、もし俺がこの小説を手渡せば、俺の心は満足出来たとしても、遥ちゃんにとっては重石にしかならないと悟ったのだ。


俺は、今回の研修での俺自身のテーマを、相手の『魂を見ること』、『魂を感じること』として参加した。

初日の『心構え』の項目では、俺の試験受けの時間が長くなってしまっていることを注意された。

しかし、『魂を見ること、感じること』に集中しようとしていて、いつもより気にならなかった。

そして、変化は2日目の『モチベーション』の項目の後半で突然現れてきた。


研修に参加していた20代の女性から、甘え上手な年下の元彼のことが、心にずっと引っかかったままであるとの話しを打ち明けられた。


彼女は彼に振られて一度別れ、その後彼には新たな彼女がいて、復縁した訳ではないのに、彼に甘えられるままズルズルと身体を許し、お金まで出してしまった自分を責め続けていた。

更には、それを慰めようとする親友の声を、拒否し続けて来てしまっていたことを、彼女は泣きながら悔いていたのだ。


以前の俺であれば、それは自分が悪いと、『自己責任』の考え方を説き、彼女を責めていたかもしれない。

そして、一方的にポジティブな考え方を押しつけるような言い方をしていたかも知れない。


しかし、この日の俺は違った。

彼女の父親になった気持ちで、彼女と一緒に涙した。

すると俺からは、彼女を責める言葉や、無理に動機付けする言葉は一切出てこなかった。


そして、自分を責めずに許すことを勧めた。

そういう弱い自分を受け入れることを勧めた。


話し終わった時、彼女は笑顔になり、自らの意思で前を向いた。

そして、これからの生き方を決意した。


俺は、俺の中での合格点を与えた。

その後、彼女は無事合格した。


彼女の試験受けは、これまでの俺にはなかったやり方だった。

この小説を書いていて気づいた、『方程式』を使っただけだった。


『魂を見ること』に集中していると、『魂が元から汚れている人はいない』という考え方になっていた。

『みんな、良くなりたい、幸せになりたいと思いながら、知らない内に今の自分になってしまっているのだ』と思えた。

『誰も悪くは無いのだ』と思えた。

責める言葉は出て来なかった。


この時の俺は、それまでに感じたことがない感覚を覚えた。

彼女の心に寄り添えたと感じられたのだった。


それまでの合格点を出した時の共感共鳴による高揚感とは違った感覚だった。

何か充実感のような、安らぎに似た感覚だった。


その後の40代の男性も同じだった。


最初は無表情で頑なだった人が、いつしか俺の前で号泣していた。

俺は、俺の中での合格点を出し、その後彼は合格した。


合格した彼を迎えてハグをした時、俺は彼から言われた。


「先生の名前を教えて下さい」


彼はそう言って、俺の裏返っていた名札を見たのだった。

俺は内心、「俺は先生じゃないんだけどなぁ・・・」と思いながらも、無性に嬉しかった。


更にその後の40代の女性も同じだった。


彼女は、自分の会社の女性社長の夢や志といった『想い』を社員に伝える役割だといった。

そして、社長のことは大好きで、社長のその想いを伝えようとすればするほど、その想いは伝わらなかった。

逆に周りからは、彼女自身が凄い人のように思われ、現実の自分は違うのにと、そのギャップに苦しんでいた。

また上司からは、それが上手く出来ていないことを責められているように感じていた。

そして、これからどうしていけば良いのかを彼女自身が見出せずにいた。


はじめの内は、その苦しみからか、ポロポロと涙していた彼女であった。

その彼女に対し、俺は一緒に悩み苦しんだ。

そうしたら、俺から自然に出てきた言葉があった。


「なんで、社長の想いを社員に伝えるだけなんだろうね?」

「社長は、社員の考えや意見も知りたいんじゃないかなぁ?」

「社員も自分たちの想いを社長に伝えたいんじゃないかなぁ?」


それまでポロポロと泣いていた彼女の顔がパッと輝いたのだ。

彼女は気づいたのだった。


今までは、社長から社員への上から下だけだったことに。

社員から社長への下から上へも出来ることに。

そして、それが出来る立場にあるのは、自分しかいないことに。

更には、そのやりがいに。


彼女は晴れ晴れとした笑顔になった。

俺の隣で聴いていた、トレ研で参加して来ていたMさんも、その笑顔への変化に驚いていた。


俺は、俺の中での合格点を出した。

そして、その後彼女は無事合格した。


この日の俺は、一度も大きな声を出さなかった。

そして、俺は思った。


「人の気持ちに寄り添うということは、こういうことだったのかぁ・・・」

「引き出さずとも、寄り添えば自然に出て来るんだなぁ・・・」


俺は、今回の研修でこの3人に教えて貰ったのだ。


俺は、小説化に気づき、『俺の道』小学生編と、この恋愛編を書いて気づいたことの成果を感じられたのだった。


そして、小説化に気づかせてくれた遥ちゃんの存在に感謝したのだった。


(つづく)

2019年10月26日 (土)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (29)

(29)来るもの拒まず、去る者追わず

遥ちゃんから『鏡の法則』のミュージカルへ行く返事を貰ってから3週間が過ぎた。

その間に『俺の空』小学生編も全10話だったものが、全11話に増えた。


そして、この恋愛編も29話まで来てしまった。

まさか、こんなに長くなるとは、夢にも思っていなかったのだが・・・。


しかし、書けば書くほど、自分の中で、自分を許し、受容し、手放して行く俺が、ハッキリと感じられ、書くことを止められなかった。


今、やらなければならないことだと思った。


そして、ここまで書いて来て、一つの結論みたいなものが見えて来た。


俺が若い頃から貫いてきて、信念のようになっていた、『来るもの拒まず、去る者追わず』の考え方自体は、間違っていなかったのだと思ったのだ。

しかし、この言葉の中には表現されていない、文字には書かれていない大切なことに、俺はこれまで気づけなかった。


間違ってはいなかったが、大切な真理に気づけなかったのだ。


俺は、去るものを決して追わなかったが、その分、断ち切って来ていたのだ。

それが俺の過ちだった。

追う必要もないが、断ち切る必要もなかったのだ。


結果的に別れることになったとしても、縁を持てたこと、俺を好きになってくれたこと、俺を信じてくれたことに感謝し、人としての優しさや愛を与え続けること、心の中で応援し続けることが大切だったのだ。


俺は、『あいつとの出会いがあったから、今の俺がある』という、頭の中での感謝はしていても、『人としての優しさや愛』を与え続けることをしてこなかったのだ。


それは、心からの感謝ではなかったことに気づけなかったのだ。


断ち切ることで、忘れようとしていたのだ。

そのことに俺は、今やっと気づけた。


『来るもの拒まず、去る者追わず』+『されど、与え続けよ、優しさと愛を』

俺の造語だから名言にはならないが、きっと真理に一歩近づけるのではないかと思うのであった。


(つづく)

2019年10月25日 (金)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (28)

(28)諦めの先にあるもの

遥ちゃんは、俺にとっての『マザー・テレサ』だったと気づいた俺は、その過程の中で、一つの方程式に気づいたのだった。


それは、許した後の次のステップだったのだ。


『許す』 ⇒ 『受け容れる』 ⇒ 『手放す』 ⇒ 『与える』


そして、閃いたのだ。

その方程式の答えが何であるのかを。


『諦める』


ネガティブにではなく、ポジティブに。


諦めるとは、『明らかにする』、『明らかに見極める』、ということだ。

それは、思い通りにならないことを、思い通りにならないこととして見極めること。

勇気を持って現実を直視し、物事の本質を明らかに見て受け容れること。

執着心を手放すことだ。


これは、俺は既に頭では理解しているつもりだった。

しかし、実際には、自分のものになっていなかったのだ。


初めての離婚の時、俺は彼女から『別れたい』と言われてから、3~4ヶ月間悩みに悩んだ。

夢を追いかけ、未来のために頑張ろうとする俺。

今を楽しみたいという彼女。


俺は、彼女が求めるように休みも取るようにした。

一緒にいられる時間を増やし、出来るだけのことをしたつもりだった。

しかし、それでも彼女には不足だったのだろう。

彼女の気持ちを変えることは出来なかったのだ。


12月31日の早朝、住んでいたマンションの屋上へ一人で上り、自分自身に問うた。


「お前は、彼女のことが好きか?」

「お前は、彼女のことを愛しているのか?」


答えは『Yes』だった。

そして、更に問うた。


「ならば、なぜお前は彼女を苦しめるんだ?」

「彼女の望みは離婚だ」

「お前と一緒にいることではない」

「お前の別れたくない気持ちは、お前の欲だ」

「お前のエゴでしかない」

「お前が彼女を本当に愛しているのなら、彼女の望みを叶えてあげることなのではないのか?」


「今のお前が彼女に出来ることは、彼女を縛りつけることではない」

「彼女を自由にして上げることなのではないのか?」


俺は、登って来る朝日を見ながら、決断した。


「別れよう・・・」


そもそもの間違いは、夢がありながら彼女を受け入れてしまったことだったと思う。


T学校の校長にも言われた。

「成功したいなら彼女と別れろ」と。

「同情と愛情は違うものだ」と。


彼女を受け入れるなら、彼女を一番にしないといけなかったと、今では思う。


しかし、過去は変えられない。

俺は受け入れてしまったのだ。

そして、今、振り返ると、この決断自体は、間違っていなかったと思う。


しかし、この後がいけなかった。

俺は、彼女に優しく出来なかったのだ。


彼女一人に離婚届を提出させた。

引越しは、俺のいない時に一人でやらせた。

引越し先も、連絡先も、何も聞かなかった。


俺は、この時点で彼女との関係を断ち切ったのだ。

それ以上、自分が傷つかないために・・・。

別れても、何かあれば、彼女を守ってあげようと考える余裕が全く無かったのだ。


彼女が引越して行った数日後、それまで二人で毎朝一緒にジョギングをしていたコースを、俺はいつもと同じ時間に、いつもと同じペースで走っていた。


すると、俺の目の前を彼女が走っていたのだ。

後ろ姿は、間違いなく彼女だった。

走るペースもいつも通りだった。


一瞬、俺は声を掛けそうになってしまった。

しかし、そうなった自分を、俺は恥じた。


そして、俺は加速して彼女を抜き去った。

一度も振り返らなかった。


俺は、その後も毎日同じ時間に同じコースを走り続けた。

しかし、二度と彼女と会うことはなかった。


今の俺なら、きっと違うだろと思う。


昔の俺は、それ以上自分が傷つくことから逃げたのだと思う。

自分のことしか考えていなかったのだと思う。


俺はこの小説を書きながら、『手放すこと』と『断ち切ること』の違いを知った。

そして、方程式の最後の部分、『与える』が出来ていなかったことに気づいた。


人としての優しさを・・・。

人としての愛を・・・。


今なら、分かる。

きっと彼女は、俺のそういう所を見抜いていたのかも知れない。

彼女も自分から求婚し、決して別れるために俺と一緒になった訳ではないことに、俺は気づけなかったのだ。


俺は、彼女の言葉ばかり聞いていたのだ。

心の声を聞いていなかった。

魂を見ていなかったのだ。


俺は、彼女との離婚と同時にT学校も辞めた。

そして、不動産業へ戻った。

それから半年後、親父が自殺した。


当時の俺は、仕事に没頭した。

寂しさを感じることも無かった。

冷静に過去を振り返り反省することもなかった。

彼女のことを記憶の片隅に押しやり、消し去っていた。


2013年1月、俺は、それまで一度も彼女の夢を見たことがなかったのだが、別れてから初めて彼女の夢を見たのだった。

最初は、彼女の名前さえも思い出せなかった。


俺は、夢の中で彼女に言われた。


「はれたろさんに、もっと優しくされたかった・・・」


夢の中の彼女は、たった一言だけつぶやいて消えた・・・。


その時の俺は、その意味に気づけなかった・・・。

ただ、その時は彼女の生死が心配になった・・・。


「元気でいてくれればいいのだけれど・・・」


その後、彼女の夢は一度も見ていない・・・。


俺は、結構正夢を見るのだ。

それも、自らの危機を知らせるような夢を。

だから、気になった夢は、いつも記録しているのだ。


彼女と別れてから27年、今、やっと俺は気づけた。

俺は、忘れてはいたが、手放せていなかったのかも知れない。

彼女のことを・・・。


「Mちゃん・・・」

「お前の本当の気持ちに気づいてあげられなくて、ごめんな・・・」

「優しくしてあげられなくて、ごめんな・・・」


「俺と出会ってくれて、ありがとう・・・」

「俺を好きになってくれて、ありがとう・・・」

「一緒に暮らしてくれて、ありがとう・・・」


彼女と出会う前の俺は、スレンダーなスラッとした大人っぽい女性が好きだった。

しかし、彼女と別れてからは好みが変わり、小柄な可愛い子を好むようになったのだった。


歳を取ってきたせいか、最近はその傾向が強くなって来ているようにも思う・・・。


しかし、こうして一つずつ紐解いて来ると俺の未熟さを痛感する。

もうすぐ55になるという男が、やっと気づけたのだ。


優しい人間になると決め、遥ちゃんへのお詫びと感謝のつもりで書き始めた手紙だった。

しかし、小説風に書き始めたら、何故か27年以上前に離婚し、忘れていた彼女のことが思い出されて来たのだ。


こんなことを書く為にこの小説を書いて来た訳ではないのだが・・・。

なぜか書かずにはいられなかった・・・。


きっとあの時、振り返って声を掛けなかった俺を、別れた後の彼女に優しく出来ずに関係を断ち切ってしまった俺を、俺は心のどこかで許せていなかったのかも知れない。


しかし、あの時の俺は、自我を捨て、精一杯彼女のためを思って決断したことには、嘘偽りはないのだ。


27歳の俺は、27歳なりに精一杯やったのだ。

だから、それでいい・・・。


もしかしたら、これから本当の『恋』をするためには、当時の俺を許し、手放す必要があったのかも知れないと思うのだった。


そして、これからは、男であろうと、女であろうと、別れた相手に対しても、与え続けられる俺になっていかなければならないと思うのだ。


彼女への感謝の気持ちは、これからの俺自身の成長で返して行くしかないと思うのであった。


(つづく)

2019年10月24日 (木)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (27)

(27)マザー・テレサ

『俺の道』小学生編は、全10話になった。

そして、9月3日から1日おきに公開し、10話は21日の公開予定になった。

なんと、その日は遥ちゃんと『鏡の法則』のミュージカルを観に行く予定の日だった。


そして俺は、『俺の道』恋愛編・第一部を書き始めた。


最初は、14日に書き始め、気づいたら溜まってしまっていた当初の手紙部分を小説風に書いていた。

しかし、書いている内に途中から、俺の深層心理が浮かび上がってきていることに気づいた。


書き始めたのは、Wさんの店の仮オープンの日を過ぎてからだ。

書きながら、涙が溢れている自分がいた。


俺は書きながら思った。


「俺は遥ちゃんへの想いを手放そうとしているのか?」


疑問を抱きながら書き進めて来た。

そして、ここまで書いて来て、俺は気づいた。


「遥ちゃんへの想いを手放すんじゃなかったんだ」


「期待する俺、完全否定の俺、応援する俺、レフェリーの俺、嫉妬する俺、求める俺・・・」

「それら全ての俺を、俺は受け入れ、そして手放すためだったんだ・・・」


「遥ちゃんへの想いはそのままでいいんだ」


「彼女を好きな気持ち」

「彼女に幸福な人生を歩ん貰いたいと思う気持ち」

「自分が生きている限り、応援し続けたいと思う気持ち」


「俺は、自分の欲望に囚われていたのだ」


「恋をしたい!」

「結婚もしたい!」

「子どもも欲しい!」


「それらは、全て俺の『欲望』だったのだ」

「俺は、純粋に『好き』という気持ちだけを持ち続ければいいんだ」

「彼女が望むことで、俺が出来ることだけをしていけばいいんだ」

「そして、彼女が望まないことをしないことだ」


そして、俺は一番大切なことにも気づいた。


「遥ちゃんと同じように思える人を、一人ずつ増やして行くことだ」

「女性だけではなく、男性も・・・」

「そして、年齢も何も関係無く・・・」

「一人でも多くの人を・・・」


「そのためには、相手の『魂』を見ることだ」

「感じることだ」

「そういう過程の結果として、恋人や結婚、そして子どもというものが与えられてくるはずだ」


俺は、そう思った。

そう信じると決めた。


そして、更に思った。


「しかし、遥ちゃんの存在は凄いよなぁ~!」

「たった、この1~2ヶ月で、俺にこれだけ沢山の気づきを与えてくれるんだもんなぁ~」

「最高のコーチだよなぁ~」


「まさに、俺にとったら天使みたいなもんだよなぁ~」

「もしかしたら、彼女は俺にとっての『マザー・テレサ』かも知れないなぁ・・・」


俺は、心底そう思ったのだった。


(つづく)

2019年10月23日 (水)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (26)

(26)小説化の意義

俺はその後、遥ちゃんとはいつも通りLINEはしていたが、特に彼女宛ての手紙を書くことは休みにしていたのだった。

そして、『俺の道』小学生編を書くことにしたのだった。


小学生編は、『0~10代編』の一部だ。

最初俺は、小学生の頃の記憶はあまり残っていないと思っていた。

しかし、書き出すと思っていた以上に記憶が蘇って来たのだった。


そして、小説化に気づく前の俺は、ただ記憶に残っていた『出来事』を順に書いていた。

しかし、それでは何の面白味もないことから、当初はただ書き留めていただけだった。


そして、遥ちゃんへの手紙が膨大になってしまったことで、小説化することを閃き、遥ちゃんの手紙の小説化の前に、先に小学生編を書くことにしたのだった。


小説化する為には、単なる説明やストーリー展開だけでは無く、登場人物の心理を描写する必要があることに気づいたのだ。


登場人物とは『俺』だ。

そして、それをやり始めたら、面白いように当時の俺の感情が蘇って来たのだった。


俺は、昨年暮れにイオンで出会った女の子の笑顔をきっかけに、自分を許す事が出来た。

そして、27年間抑え込んでいた親父への想いと親父の想いに気づき、自殺した親父を許す事が出来た。

更に、親父を許す事が出来た瞬間、過去裏切られたと思っていた人たち全てを許し、過去のことはどうでも良くなった。


その後、俺の内面は確実に変化してきた。

些細なことで、幸せを感じる機会がめちゃくちゃ増えたのだ。


許す事が出来たことで、過去を手放すことが出来たと思っていた。

しかし、過去に執着することはなくなったが、まだ何かに囚われている部分がある自分がいることも否定出来なかった。


俺は、この部分を何とかしたいとずっと思って来ていた。

そして、解決方法を探すべく、多くの本を読んで来た。


そして、『鏡の法則』に出会った。


『鏡の法則』には、形は違えど、俺がイオンで女の子に出会ってから自分を許す事が出来るまでの内容が書かれていると思った。

『許すこと』が出来るようになるまでの過程と、その方法が描かれていたのだ。


俺は一人でも多くの人にこの本を読んで貰いたいと思った。

そして、最初はTに、そしてSちゃんと遥ちゃんに贈った。


『鏡の法則』には、『許す』ために、『許せない相手』の嫌いな所を書き出し、その人に持っている怒りや恨み、罵りなどの感情を書き出す方法が書かれていた。


しかし、この時の俺は、既に過去に出会ったほとんど全ての人を許せていた。

だから、許すことが出来ない、怒りや罵りの感情自体が湧いて来なかったのだ。


しかし・・・。

俺の中では、まだ何か引っかかっているものがあったのだ。

俺は本を読んでは、その何かを解消する具体的方法を探し続けていた。


そして、『俺の道』小学生編を一通り書き終え、BLOGへアップする為の加筆修正をし始めた。


すると、俺は主人公の俺でありながら、読者の俺にもなっていたのだ。


主人公の『俺』の切ない気持ち、やるせない気持ち、理不尽な気持ち、褒められたい気持ち、認められたい気持ち、愛されたい気持ち・・・。


それらの気持ちが手に取る様に分かったのだ。

俺は、子どもの頃の『俺』の感情を第三者的に俯瞰していることに気づいたのだった。

俺は思った・・・。


「そういうことだったのかぁ・・・!」


俺は、涙が溢れて来た・・・。

子ども時代の『俺』を、俺は認めてやった、褒めてやった。

そして、抱きしめてやった・・・。


「お前は、ずっと頑張っていたんだよなぁ・・・」

「お前は、仲間思いの優しい奴だったんだよなぁ・・・」

「お前は、自分より弱い奴を守りたかっただけだったんだよなぁ・・・」

「お前は、褒めて貰いたいだけだったんだよなぁ・・・」

「お前は、認めて貰いたかっただけなんだよなぁ・・・」

「お前は、ありのままのお前を受け入れて欲しかっただけだったんだよなぁ・・・」

「お前は、みんなに喜んで貰いたかっただけなんだよなぁ・・・」

「そして、愛されたかっただけなんだよなぁ・・・」


俺は、小説化したことで、過去の、幼い頃の本当の自分に出会った。

俺の中のインナーチャイルドに出会ったのだ。


そして、これまで常に高みだけを見させ、完璧を押しつけ、何一つ認めることなく、褒めることなく、ただ叱咤激励し、責め続けていたインナーペアレントを発見したのだった。


俺は、物心がついたころから、ずっとインナーチャイルドを責め続けて来ていたインナーペアレントを排除した。


俺の中で引っかかっていたもの・・・。

許せたのに・・・。

手放せていなかったのだ・・・。

俺は気づいた。


「過去を変えることは出来ない・・・」

「そして、忘れることも出来ない・・・」


「しかし、ぎゅうっと抱きしめることで、手放す事が出来るんだ・・・」

「それは、受け入れるということなんだ・・・」

「受け入れることで、手放す事が出来るんだ・・・」

「それが、癒しなんだ・・・」


俺は、思った。


「この小説化の作業は、単なる物語を書くことではなかった・・・」

「今の俺を、過去の俺から解き放つためのものだったんだ・・・」

「俺自身が、真の自由に一歩踏み出すために必要なことだったんだ・・・」

「だから、『自由』について書き始めたら、迷走したんだ・・・」

「BLOGはそのために必要なものだったんだ・・・」

「全ては繋がっていたんだ・・・」


俺は思った・・・。


「まだ、小学生編しか書いていないのに・・・」

「これから、俺のこれまでの半生を全て書いた時、俺はどうなっているのだろう・・・?」

「どんな俺がいるのだろう・・・?」


その時の俺には、光り輝く未来しか見えなかったのだった。


(つづく)

2019年10月22日 (火)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (25)

(25)思い過ごしも恋のうち

その翌日の夕方であった。

俺は、台所で晩飯の支度をしていた。

すると、ふと突然浮かんで来たのであった。


「たしか・・・、サザンの曲だったか、歌詞だったかで、『思い過ごしも恋のうち』ってフレーズがあったよなぁ・・・」


俺は、晩飯の支度を一旦中断し、スマホで検索してみた。

すると、サザンの4曲目のシングルで、そのタイトルの曲があったのであった。

そして、YouTubeで、その曲を久し振りに聞いたのだった。


「そっかぁ・・・」

「思い過ごしも恋だったんだぁ・・・」

「じゃぁ、俺のも恋なんだなぁ・・・」


俺は思ったのだった。

しかし、なんか違う感じがしたのだった。

そして、俺は良く考えてみた。

すると閃いたのだった。


「分かったぁ~!」

「俺の恋は、思い過ごしだったんだぁ!!」


「そっかぁ~・・・」

「なんだぁ~・・・」

「単なる俺の思い過ごしだったのかぁ・・・」


「ん・・・?」

「ちょっと待てよ・・・?」

「ん・・・?」

「それでいいのか・・・?」


俺は何か腑に落ちないものを感じたのだった。


するとそこへ、完全否定の俺が久々に現れて来たのだった。


「ばーか!」

「やっと気づいたかぁ~!」

「そうだよ!」

「お前の恋は、単なる思い過ごしなの!!」

「思い過ごしっていうのはな、簡単に言うと勘違いなの!!」


「お前は、彼女が自分のことを好きなんじゃないかと単なる勘違いをしただけなの!」

「そういうのを錯覚って言うんだよ!」


「わかった?!」

「お前みたいな、何もないおっさんが、彼女みたいな良い子に好かれているなんて思うことが間違いなの!!」


「彼女の好意は、単に研修の先輩とか、上司みたいなものとしての好意なの!」

「それ以上ってことは、ありえないの!」


「変な期待はするなよ!」

「いい?!」

「わかった!?」


羊の俺は、思わず返事をしそうになったのであった。


するとそこへ、期待する俺が、ミル・マスカラスがごとく、トップロープから完全否定する俺にドロップキックを浴びせたのであった!

そして、言ったのだ。


「お前、何言ってんだぁぁぁ!!」

「ダメだ!そんな言葉に誤魔化されるな!!」


「思い過ごしも恋のうちって言うのはなぁ、思い過ごしや勘違いも『恋』ですよ~って言ってんだよ!」


「始まりは、思い過ごしや勘違いでも、相手のことを好きになったら、それが『恋』なんですよ~ってことを言ってんの!」


「だから、お前のは『恋』なんだよ!」


「惑わされてちゃダメだよぉ~」

「完全否定の奴の声なんか聞いちゃダメなの!」


「あいつはなぁ、お前が迷ったり、疑ったり、悩んだりすると出て来るから気をつけなきゃダメだよ~」

「お前、剣道やってんだろ?!」

「剣の四病と言われる、『恐懼疑惑』と同じなんだよ~」


「その気持ちが出ると、完全否定の奴が喜んで出て来るんだよ~」

「それが『心』の隙になるの!」

「わかる?!」


「お前は、本当に好きな子には羊になっちゃうんだから、全くしょうがねえよなぁ・・・」

「まるで、借りてきた猫だもんな!」


羊の俺は思ったのだった。


「いや、俺は猫じゃなくて、羊なんですけど・・・」


いつしか羊の俺は、完全否定の俺からは責められ、期待する俺からは怒られていたのであった。


そして、羊の俺は思ったのであった。


「で・・・」

「結局俺は、どうすれば良いの・・・?」


すると、期待する俺は語り出したのであった。


「お前は、彼女が好きになってくれるから好きになるのか?」

「彼女が好きになってくれなかったら、好きにならないのか?」


「違うだろ?!」


「遥ちゃんと出会ってから、これまでの色々なことの中で、最初は自分の娘みたいな気持ちだったかも知れないけれど、次第に彼女を一人の女性として見始めて、その中で彼女の優しさとか純真さとかに触れている内に魅かれていって、好きになっていったんだろ?!」


「それは、お前が自分の意思で好きになっていったってことだろ?!」

「その時は、彼女がお前のことを好きになってくれるかどうかなんて考えないで、単純に好きで、何でもしてあげたくなったんだろ?!」


「確かに何度か、あれ?って、思ったことがあったかも知れないけれど、それが『思い過ごし』とか『錯覚』であっても、それ自体は『きっかけ』でしかないんだよ」

「わかる?!」


「要はね、きっかけっていうのは、その前に前提があるのよ」

「お前の場合は、彼女のことを想う気持ちね」

「簡単に言うと『好き』という感情があるの」


「お前は、その感情を、年齢とか、世間体とか、プライドとか、そういうもので抑えていたから、自分の正直な気持ちに気づけなかったんだよ」


「その正直な自分の気持ちに気づくきっかけになったのが、『あれ?』って、思う出来事だったのよ」

「そして、その出来事のことを『思い過ごし』とか、『錯覚』って言うの」


「だから、お前の場合は、そのきっかけが、『彼女のやきもち』と思えることや、『アイノカタチ』のシンクロだった訳なのよ」


「仮に、もしその出来事が無かったとしても、既にお前の中には彼女を好きな気持ちがある訳だから、別の出来事でいつか気づく時が来るんだよ」

「わかる?!」


「はい・・・」


「大切なのは、きっかけとなった出来事ではなくて、お前の彼女を想う気持ちなんだよ」

「彼女のことを『好き』だと思う気持ちなの!」

「そして、本当に大切なのはここからだ」


羊の俺は言ったのだった。


「ちょっと待って下さい・・・」

「今日の所は、この辺で勘弁してくれませんか?!」

「もう、何か頭が一杯で疲れました・・・」


「あっ、そう・・・」

「わかった・・・」

「じゃあ、最後に一つだけな」


「思い過ごしも、錯覚も、好きならそれは、全て『恋』だ!」

「わかったな!」


羊の俺は、それが『恋』なのかどうなのかは、もうどっちでも良かったのであった。


(つづく)

2019年10月21日 (月)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (24)

(24)ジェラシー

俺は、俺自身が諦めない限り、可能性は絶対に0にはならないことを知った。

限りなく0には近いが0ではないのだ。


その後、完全否定の俺は出てこなくなった。

そして、俺の頭の中は、遥ちゃんだらけになった。


夜、晩酌の後、洗面所で歯磨きを始めたら、俺は突然口づさんでいた。


「は~るかちゃ~ん♪」


それは、ルパン三世の『ふ~じこちゃ~ん♪』と同じ調子だった。

そして俺は思ったのだ。


「あれっ・・・?」

「ルパン三世って、何歳なんだろう・・・?」

「あれっ・・・?」

「もしかして50代なんじゃね~の?!」


「えっ?!」

「そんで不二子ちゃんが30位だったりして?」

「ん・・・?」

「それだと俺と遥ちゃんと同じじゃ~ん!!」


そして、鏡の中にはニタついている俺がいたのであった。

この頃の俺は、完全に『アホの坂田』状態になっていたのだった。


そして、25日(日)、その日はWさんの店の仮オープンの日だった。


俺は、その日、遥ちゃんも来るのかどうか気になっていた。


しかし、敢えて事前に聞かなかった。

そして、遥ちゃんも聞いて来なかった。


俺は、Wさんから直接の誘いだったが、研修のグループラインにも何の通知も無かったことから、どういうメンバーが集まるのかは事前には全く知らなかった。

知っていたのは、おやじ軍団の一人のMが来るということだけだった。


しかし、当日の12時前に遥ちゃんから送られて来た羊のスタンプを見て俺は思った。


「あっ、きっと来るな!」


俺が着いた時、彼女はまだ来ていなかった。


そして、2階に上がるとKMちゃん夫妻とKSDの妻子がいた。

KMちゃんは先月第二子を出産したばかりだった。


彼女は、NYの中にありながら、染まらずに独自路線なところが俺は好きだった。

彼女の結婚式以来だから、約3年振り位だった。


彼女から突然言われた。


「はれさん、なんか雰囲気変わりましたね~」

「なんか優しくなった感じがしますね~」


俺は凄く嬉しかった。


KSDの妻子も、同じくKMちゃんの結婚式以来だった。


KSDの息子のY君は、テーブルの下に隠れるようにしていた。

照れていたのだろう。

シャイな感じが凄く伝わって来た・・・。


俺はY君に声を掛けた。


「なんでそんなところに隠れているんだぁ~」


俺は床に直接座り、Y君との目線を同じ高さにした。

それから暫くの間、俺はY君と彼が持ってきていた恐竜で遊んだ。


Y君は4歳で、一番可愛い盛りだった。


俺は、小さい子が大好きなのだ。

子どもは特に、3歳~6歳位までが、一番無邪気で可愛い盛りなんじゃないかと思うのだ。


そんなことをしている内に遥ちゃんは来た。

俺の心の中は、まるでご主人様の帰りを、首を長くして待っていたワンコ状態だった。


しかし、そんなことはおくびにも出さず、俺はSちゃんと共にY君の相手をした。

コーチの一人のKちゃんも来た。

俺は声を掛けたが、なんかいつもの雰囲気と違い、少し心配になった。


しばらくして、俺はタバコが吸いたくなり1階に下りた。

2階は小さい子がいたことで禁煙になっていたのだ。

1階に下りると遥ちゃんがいた。

俺は嬉しくなった。


彼女は串団子結びのゴムを持って来るのを忘れたと言った。

前から俺に分けてくれると言っていたのだ。

特に俺が望んだ訳ではないのだが・・・。

彼女は俺に、彼女と同じ串団子ヘアをして欲しいのだろうと思ったのだった。


俺は内心では、彼女が研修の時に見せてくれた、ウェーブがかかった、ふわっとした感じの髪型の方が可愛くて好きだった。


でも、もしかしたら、気を使って俺と同じポニーテール系にしてくれているのかも知れないと、勝手な妄想と淡い期待で、それは口には出来なかった。


彼女はしばらくして2階に上がってしまった。

俺は、しばらくタバコの席にいついたが、彼女は戻って来なかった。


俺は、料理が気になり、厨房を見に行った。

厨房は、濱虎で働き、ラーメン屋で独立志望だったBがやっていた。

彼は、一度トレ研で俺の隣に座り、色々と話したことがあった。


彼は、ステーキの焼き方はあまり知らないようだった。

俺は、良かれと思い、彼にステーキの焼き方を少し教えた。

また、味についての考え方も、俺の経験上の話しをした。


俺は、高一の時のファミレスに始まり、割烹での和食修行、蔵王スキー場の7~80人規模の小さなホテルでチーフコック、石垣島ペンションでの料理人と、調理師の資格は無いが、それなりに商売としての料理人の世界を経験して来ていたのであった。


しかし、俺の悪い癖で、良かれと思ってしたアドバイスは、彼のプライドを傷つけたようだった。


お節介になってしまったようだ。


聞かれてもいないことを教えるのは、相手に余程謙虚な気持ちが無い限り、余計なお世話になり、嫌われるのが落ちなのだ。


俺はこれまでの人生で、それでどれだけ嫌われて来たことか、煙たがられて来たことか、分かっているのにやってしまうのだ。


相手のことを思い、相手にとって良かれと思って口を出してしまうのだ。

それが俺の悪い癖なのだ。


研修を通じて向上心を持ち、学んでいる人たちでさえ、ほとんどの人がそうなのだ。

トレ研で、俺とMは、どれだけそれを責められ怒られたことか・・・。

分かっているのにやってしまうのだ。


でも、その点、遥ちゃんだけは違っていたのだ。


そういう俺の欠点を覆い隠す様に、全てを受け入れてくれた。

嫌なそぶりを全く見せずに、何でも喜んで聞いてくれた。


だから俺も知っていることは何でも教えてあげたくなったのだ。

これも彼女の魂の純真さの一つなのだと思う。


そんなことを考えながら周りと話しをしていたら、いつしか中締めに近づいていた。


そして、遥ちゃんはと見ると・・・。


「ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」

な、な・・・、なんと・・・・・!


Kのハットを被っていたのであった!!


俺は思った。


「そういうことだったのかぁぁぁぁぁ・・・・・・」

以前、6月頃に遥ちゃんが新潟から送ってくれた飲み会の写真の中に、Kの写真も送って来たことがあったのだった。


その時は、まだ前の彼氏と別れて1ヶ月も経っていない状況だったことから、大して気にはしていなかったのだが・・・。


俺は思ったのだった。


「終わった・・・」


そして、Kに嫉妬している自分を恥じた・・・。


みじめで、みっともなかった・・・。

羊の俺は、やはり羊だったのだ・・・。


俺の恋は、自分で気づき始めて、10日も経たずに幕を閉じたのであった。


Wさんの店の仮オープンの中締めの後、俺は遥ちゃんとSちゃんたちの二次会グループには入っていけなかった。

入りたかったのだが・・・。


更には誘われもしなかった・・・。

Mは誘われたのに・・・。


俺は、Nちゃんグループと一緒だった。

そして、全然楽しくなかった。

Nちゃんたちにも、嫌な思いをさせたかも知れなかった。


「俺は一体、なにをやっているのだろう・・・」

「来なきゃ良かった・・・」


そう思った。

Wさんの開店を祝う気持ちは既に消し飛んでいた・・・。


そして、帰りの電車に乗る前、俺は遥ちゃんにLINEを送った。

『羊』のスタンプと、氣志團の『あばよ。』のスタンプだった。


この時の俺は思っていた。


「もう、遥ちゃんに俺からLINEするのは止めよう・・・」


この時の俺は、完全に昔の俺に戻っていた。

そう、昔の俺は恋愛に限らず、全ての人間関係で、こういう場面で完全にシャットアウトしていたのだ。


女性だけではなく、男性に対しても・・・。


俺が好きになろうとした時、嫉妬のような感情や拒否されたような感情が湧きおこると、一気に距離を空けてしまうのだ。

そして、二度と自分からは近づかないのだ。


だから本気で女性を好きになったことがないのかも知れないと思うのだった・・・。

遥ちゃんに対してもそうなりかけたのだった・・・。


しかし、翌朝起きた俺は、それまでの俺とは違っていた。

一時でも、昔の俺に戻ってしまった自分が逆に恥ずかしくなった。


そして、『羊』のスタンプを送った。

一言だけ付け加えた。


『メェ~』


俺は自分の進化を感じた。


羊であることに変わりはないのだが、それをまるまる受け入れられている俺がいたのだ。


突然、頭の中に研ナオコの『かもめはかもめ』が流れた。

そして俺は、『ひ~つじは、ひ~つじ♪』と歌っていた・・・。


俺は自分のアホさ加減に呆れ、そして可笑しくなったのだった。


その後、10:30頃、遥ちゃんからLINEが送られて来た。

俺は嬉しくなり、完全に元の元気な俺に戻ったのであった。


単純過ぎなのであった。


(つづく)

2019年10月20日 (日)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (23)

(23)77億分の1

8月19日の朝、俺はトイレに入っていて、いきなり閃いたのだった。


その時の俺は何故かトイレの中で、機会があれば研修生に話そうと思っていた可能性の話しを思い出していたのだった。


例えば、今ここに100人の人がいたとする。

あることに対して、100人全ての人が、「それは無理だ」、「絶対出来ない」と言ったとする。

そうしたら、それは可能性が0ということ。


でもそこに、後から1人の人が加わって、その人が、「そんなのは全然無理じゃない!」、「絶対に出来る!」と言ったとする。


すると、可能性は、0.99%になる。

1%にも満たない・・・。

しかし、0ではない。


そして、その人が色々な方法を考えて、実際に努力し始める。

すると、今まで「絶対に出来ない」と思っていた人の中から、何人かが、「もしかしたら出来るのではないか?」と思い出す。


そして、ああでもない、こうでもないと、色んなやり方でチャレンジしていく。


すると周りで見ている人たちは、最初は嘲笑っていたのが、彼ら彼女らのチャレンジしている姿が楽しそうに見えて来て、いつしか出来そうな気になってしまう。


そして、更に仲間が増えていき、最初は可能性が0だったことが、いつしか実現していくのだ。


電気、飛行機、車とか、パソコン、スマホとか、この世の中にある全てのものが、この後から来た101人目の1人から始まっているのだ。


研修だったら、俺は研修生に対して、「みなさんは、この後から来た101人目の人になりたいですか?」と、問うことになる。


そして、続けてこう話すのだ。


別に世の中を変える様な大きなことをやらなくても良いのです。

自分の職場や家庭の中で良い。

問題意識を持って、自分のためだけでは無く、「みんなの為になる!」「より良くなる!」と考えて、それが『人として正しいと思えること』だったら、迷い無く挑戦して行けば良いのです。


それが、問題意識を持ち、問題発見者となり、問題解決者になるということなのです。


そういう人って、輝いていて、魅力的だと思いませんか?

そういう人の周りには、多くの仲間たちが集まって来ると思いませんか?


101人目の人になるかどうかを決めるのは、みなさん自身なのです!


俺はこの日の朝、これを自分自身に言っていた。


もし俺が、遥ちゃんに恋をしているとして、仮にみんなが知ったとしたら、多分、全ての人が『無理!』、『絶対無理!』、『やめておけ!』と、言うだろうなと、俺は思った。


更に言えば、その『無理!』と言っている人の中に、遥ちゃんも入っているのだ。


そう考えて俺は思った。


「極端な話し、地球上の77億の人類全ての人が『無理!』と言っているのと同じだよなぁ・・・」

「地球上全ての人類が俺の敵なのかぁ・・・」


そう思ったら、何故かそこまで言われると逆に開き直るというか、ネガティブになるよりポジティブになって来たのだった。


77億人を全員味方にしようと思うと超難しい。

それこそ、ほとんど無理・・・。

というか、不可能・・・。


でも、そこで俺は思ったのだ。


「なんだ、たった一人で良いんじゃん!!」

「味方になって貰うのは、遥ちゃん一人だけで良いんだ!!」


俺は、気づいたのだった。


世界中で俺一人の可能性は、77億分の1。

計算したら、0.000000013%だった。

あまりの低さに自分でも可笑しくなった。

でも、0ではないのだ。


俺が信じている限りは、0にはならないことに、俺は気づいたのだ。

そして思った。


「それを77億分の2にすれば良いんだ!」

「それこそが『愛』なんじゃないのか・・・?!」

「それが、『結婚』っていうことなんじゃないのか・・・?!」


だから、俺自身が、『無理』と思っちゃいけないのだと思ったのだった。


でも、思おうとしている俺がいるのも事実だった。

そして、これがまたやっかいな奴なのだった。


今の俺は、まだどうしたら良いのか分からなかった・・・。


しかし、こうして悩めるのも遥ちゃんのお陰だと思い、彼女の存在に感謝する俺なのであった。


(つづく)

2019年10月19日 (土)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (22)

(22)男は恋をすると・・・

期待する俺の変な励ましで、少しだけ勇気が持てた羊の俺は、何を思ったのか、遥ちゃんとのこれまでのことを振り返ってみたのだった。


確か、遥ちゃんが研修に参加したのは、一昨年の9月頃だ。

その後、3ヶ月間トレーナー研修に出ると言っていたのが、もう2年。

もし、あそこで遥ちゃんのトレ研が終わっていたら、今のような俺はいない。


彼女が研修生として参加した時、何故か俺は一度も試験受けをしなかった。

だから、彼女と話したことは無かった。


初めての会話は、翌月のトレ研で彼女が、「はれさんは、『はれ語録』なんですよね!」と言ってくれたことだった。


『善い言葉集め』が好きな俺は、自分が好きなことに興味を持ってくれているのかと思って嬉しくなった。


トレ研で、『カニ』と、名前は忘れたが『元モー娘』が好きと言っていて、「面白い子だな~」と思ったのだ。


そして、去年の3月の新潟研修で、理由は良く分からなが、トレ研に参加しいてるM社の子たちに対する評価と感想のレポートを依頼してくれた。


あの時の俺は、「こんな俺でも頼ってくれるんだなぁ」と、嬉しかったのだ。

それで親近感が湧いたのだ。


更に研修後に居酒屋でみんなと飲めた。

しかし、あれで俺の株は一気に下がった感じがする。


その後LINEで少しずつやり取りしている内に、去年の10月頃の研修の夜、俺の部屋に来て、家族のことを相談してくれたのだ。


あの時も、「頼ってくれているんだなぁ」と、すごく嬉しかった。


あの時の遥ちゃんは風呂上がりのスッピンだった。

可愛らしい素顔と素肌の綺麗さに俺はビックリしたのだった。

そして、それ以上に驚いたのは、スッピンで来た彼女の純真さだった。


その時俺は、口には出さなかったが、内心で思っていたのだ。


「突然彼氏がお風呂に入って来ました」

「彼女は咄嗟にどこを隠したでしょう?」

「スッピンとすっぽんぽん、どっちが恥ずかしい?」


という問題。


スッピンで来た彼女は当然、『すっぽんぽん』。

彼女が若い証拠だと思った。


そして、俺はその時言ったのだ。


「遥ちゃん、肌綺麗だねぇ~!」

「素顔の方が可愛くて、化粧している顔より俺は好きだなぁ~」


そして翌朝、彼女は寝坊したのだった。

そして、彼女は化粧をせずに、ほぼすっぴんだと顔を寄せて見せてくれたのだ。


俺はドキッとしながらも嬉しかったのだ。

しかし、その時の俺は、眼鏡を掛けていなくてあまり良く見えなかったのだった・・・。

俺は心の中で地団駄を踏んだ。


その後、俺が正月に初日の出の画像を送ったら、俺とのラインの壁紙にしてくれた。

そして俺も、同じ初日の出の画像を遥ちゃんの壁紙にした。


考えてみると、彼女と急に距離が近づいたのはそれからのような気がする。


その後、息子の大学受験の応援をお願いした。

嬉しいことに、新年会も一緒に飲めた。


1月の研修でのトレ研動画を見たら、遥ちゃんがメッセージ役をやっていた。

彼女は、『一人はみんなのために、みんなは一人のために』と、『 One for all , All for one 』の話しをていた。


それを見た俺は、頑張ってメッセージ役をやった彼女を称えた上で、『 One for all , All for one 』は、『一人はみんなのために、みんなは一人のために』と捉えられているけれど、それは間違いではないが、真の意味ではないことをLINEで伝えた。


彼女は、真の意味を教えて欲しいと言って来た。

俺は、『 One for all , All for one 』の本当の意味を教えた。


すると彼女は、その意味を理解し、真の意味の方が深く、仕事の現場で活かせることを知ったのだった。

そして、M社の女性チームのみんなにも伝えて共有してくれたのだった。


これも俺は凄く嬉しかった。

トレ研で仲良くなった、M社のみんなの役に立てているような気がした。


その後、遥ちゃんは3月の企業フォーラムに向けて頑張っていた。

3月10日に息子の大学合格があって、一緒に喜んでくれた。


その後、何かのパーティでのお父さんとの写真を送ってくれた。

俺が、「レディっぽいね」と言うと、「もうレディです!」と怒られた。


今振り返ると、多分あの頃から俺の中での彼女のポジションが変わったのかも知れない。


それまでは20代と思っていたから、どこかお子ちゃま扱い、子ども扱いしていたのかも知れない。


そう、その『レディです!』って言葉で、一人の大人の女性として見るようになったのかも知れない。


俺の中では、20代の女性はまだ子どもなのであった。


その後4月に、俺はTVで『傷だらけの天使』を偶然見た。

あまりの懐かしさに、その思いを誰かに伝えたかった。

俺は最初、遥ちゃんに送ることを考えた。


しかし、彼女は年齢からすると知らないだろうと思った。

年齢的に知っていそうだと思ったのは、E子ちゃんとKちゃんだった。

俺は二人に送った。


そうしたら、丁度M社の女子会だった。

それも、E子ちゃんは、みんなに俺からのラインを見せたようだった。

この時俺は、女はある意味、怖いと思った・・・。


その後4月の研修の時、M社長にそれを報告している遥ちゃんを見て、「あれっ?」と思った。


5月のGWに彼氏と別れたと連絡をくれた。

なんとかしてあげたいなぁ・・・と、思った。

しかし、話しを聴くことしか出来なかった。


でもその後、よりを戻したと聞いて、「良かったなぁ」と思った。

しかしその後、また別れたと聞いて、「大丈夫かなぁ・・・」と心配になった。


麻布十番の蕎麦屋の話しをしたら、「行きたい!行きましょう!」と言ってくれた。

これはまだ実現していないけど、「行きましょう!」と、言ってくれただけでも嬉しかった。


その後、アドラーの本を貸りてくれた。

彼女はあんまり読むのは早くはないみたいだけど・・・。


その後、LちゃんのミュージカルにSちゃんと一緒に付き合ってくれることになった。

これも本当に嬉しかった!


姪っ子ちゃんとの写真やSちゃんと行ったディズニーシーの写真も送ってくれた。

この頃から俺は、なんか日に日に彼女が可愛くてしょうがなく思えて来たのだった。


そして、『アイノカタチ』で、「まさか?!」と思ったのだ。


その後は、あれよあれよと言う間に、なんかここまで来ちゃった感じだ。

そして、俺はこの振り返りをしている内に、あることに気がついた。


「そうだ!遥ちゃんの写真を切り取って、遥ちゃん一人のアップの写真を作れば良いんだ!!」


俺は手持ちの何枚かの写真で彼女のアップの写真を作り、PC画面の片隅に配置し、いつでも見られるようにしたのだ。


俺が一番好きなのは、彼女がSちゃんと行ったディズニーシーの時の写真だ。

彼女は頭に犬の耳を付け、ヒゲを書き、右手の爪を立て「ガォー!」とやっているやつだ。

彼女が可愛らしかった・・・。

そして俺は思うのだった。


「遥ちゃん、カワユイ~!」


そして、俺は更に思った。


「俺は一体何をやっているんだぁ?!」

「いい歳して、なにやってんだよぉ~・・・」

「バカか俺は?!」


俺は若い頃、アイドルとかには全く興味がなかったのだ。

普通の少年がする、アイドルのポスターを部屋に貼って眺めたりとかの経験がなかったのだった。


「それが今頃になって・・・」

「俺は、いい歳して、なにをやってんだよぉぉぉぉ・・・!!」


そして、俺はこの時思ったのだった。


「これは犯罪じゃないよなぁ・・・?」


すると、それまで陰を潜めていた完全否定しようとする俺が、この時とばかりに出て来て言ったのだった。


「ホントお前、バカだよなぁ!」

「いい歳してなにやってんだよ!」

「そんなことしたってしょうがねーだろ!」


「お前、自分の歳を考えろよ!」

「それじゃぁ、その辺に居るオタクやストーカーと一緒じゃねーか!」

「そういうお前を知ったら、彼女は気持ち悪がるぞ!」

「絶対逃げるよ!!」


「女はなぁ、自分が好きでもない奴にそういうことをされるのが一番嫌がるんだよ!」

「気持ち悪がるんだよ!!」

「良いのかそれで!!」


羊の俺は思った。


「そうだよなぁ・・・」

「気持ち悪がられるよなぁ・・・」

「きっと・・・」


「嫌われちゃうよなぁ・・・」

「きっと・・・」


羊の俺は完全にノックダウン状態だった。


そこへ、レフェリーの俺が出て来て、またしてもささやいたのだった。


「だから~、それが恋なんだって・・・」

「気持ち悪がられたって良いじゃない・・・」

「嫌われたって良いじゃない・・・」

「だって、お前は好きなんだろ?」

「彼女の写真を見てると、なんか元気になるんだろ?」

「この人のために頑張ろう!と、思えるんだろ?」


「だったら良いじゃない」

「全力で好きになれば良いじゃない!」

「大丈夫!!」


そして、レフェリーの俺は言ったのだった。


「女は恋をすると綺麗になるんだよ・・・」

「そして、男はな・・・」

「恋をするとみっともなくなるんだよ!!」

「今のお前は、まさにそういう状態なの・・・」

「だから、みっともなくなって良いんだよぉ~」


「それが恋なんだからさぁ・・・」


すると、セコンドのように応援していた俺も出て来て言ったのだ。


「そうだよ、お前は別に悪いことをしている訳じゃない・・・」

「彼女が送ってくれた写真をカットしてアップにして眺めているだけなんだからさぁ~」

「もし、お前のことが嫌いだったり、気持ち悪がっていたら、写真自体送ってこないよ」


「送って来るっていうのは、見て欲しいから送って来るんだよ」

「お前一人が楽しむ分には、何の問題もないから安心しな!」


羊の俺は、何とか正気を取り戻した。


今回はかなりやばかった・・・。

危うく、完全否定の俺にノックダウンさせられるところだった・・・。


しかし、一番やばいのは、あまりに可愛過ぎる彼女の存在なのかも知れないと、羊の俺は思ったのであった。


(つづく)

2019年10月18日 (金)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (21)

(21)魂の共鳴

『主夫』という在り方に気づき、それまで抑え込んでいたものを解放出来た直後、俺は出版社のHPから『鏡の法則』のミュージカルの存在を知ったのだった。

そして、完売で取れないと思っていたチケットが取れ、無謀にも俺は遥ちゃんを誘い、彼女は一緒に観に行く約束をしてくれたのだ。


俺の頭の中には蝶ちょが飛び、その後自己嫌悪に陥ったのだった。

そして、お詫びの手紙を書き始めたら、大変なことになったのだ。


俺は、自分で自分が分からなくなり始めていた・・・。

ちょっとしたことで喜んでみたり、嘆いてみたり・・・。


羊の俺の中で、一日中、期待する俺と完全否定する俺の壮絶なバトルが繰り広げられていたのだった。


するとそこへ、突然レフェリーの俺が出て来てささやいたのだった。


「それが恋なんだよぉ~・・・」


「えっ?!」

「そうなの・・・?」


すると、セコンドのような俺も出て来て言ったのだった。


「そうだよぉ~」

「それが恋なんだよぉ~」

「片思いだけどねぇ~・・・」

「でも、片思いは、自由にして良いんだからさぁ~」

「好きになって良いんだよぉ~」


何故か羊の俺はそこで抵抗を始めたのだった。


「でもさぁ・・・」

「俺なんかじゃぁ、絶対無理だって・・・」

「歳が離れ過ぎてるしさぁ・・・」

「あまりにも美女と野獣過ぎるじゃん・・・」


「それだし、彼女は社長令嬢で、良い所のお嬢様なんだよぉ・・・」

「俺なんかじゃぁ、つり合いが取れなさ過ぎだよぉ・・・」

「彼女が言ってた通り、俺は親戚のおじさんみたいなものなんだからさぁ・・・」


すると、セコンドのような俺は更に言って来た。


「バッカだな~お前、だから良いんだよ!」

「彼女が綺麗で高嶺の花だからこそ、ダメで元々なんだろぉ~」

「最初から手が届かないと諦めていたら、恋なんか出来ないぞぉ~」


「それとも、中途半端なところで手を打つのかぁ~?」

「人生最後の結婚は、自分から好きになった人とするんじゃなかったのかぁ~?」


「ダメになった時のことを今から考えてもしょうがないだろ~」

「ダメになった時のことは、ダメになってから考えれば良いんだよ~!」


「片思いだって良いじゃない!」

「片思い出来る相手がいるだけで幸せじゃない!」

「お前はもう何十年も片思いさえして来なかったんだからさぁ~」


「もうさぁ、『こうあるべき』とか、『こうすべき』とか、『こうじゃなきゃいけない』とかさ、自分で自分を縛るのは止めた方が良いんじゃない?!」


「そろそろ、自由になって良いんじゃないか?!」


羊の俺は何も言い返せなくなっていた。


すると期待する俺が、俄然元気になって矛盾したことを言い出した。


「そうだよー、期待するからダメなんだよ~」

「期待しなければ良いんだよ~」

「期待しないで、何も求めないで、ただ好きになれば良いんだよ~」

「好きになれる相手がいるだけで幸せじゃ~ん!」

「遥ちゃんが居てくれるだけで幸せじゃ~ん!」


「彼女が生まれて来てくれて、こうして出会ってくれて、仲良くしてくれてさぁ!」

「それだけで幸せじゃ~ん!」

「それだけで、大感謝じゃ~ん!!」


「結ばれるかどうかは、神のみぞ知るだよ~!」

「大切なのは、今、目の前にいる彼女を全力で好きになることなんじゃないの?!」

「それが恋なんじゃないの?!」

「彼女のことを一生懸命好きになれば、結ばれなくても、次に繋がるんじゃない?!」

「異性への想い方が分かるようになれるかもよ?!」


「家柄とか、国籍とか、若さとかさ、そういうものは全て彼女に付随するもので、彼女自身ではないんだよぉ~」

「彼女の持っているものに囚われるなよぉ・・・」


「彼女自身を見るんだよ~」

「彼女の外見や今の性格だけじゃないぞ~」

「性格は変えられるものなんだからなぁ~」


「彼女の『魂』を見るんだ!」

「彼女の『魂』だけを見た時、歳の差なんてものは関係なくなるんだよ!」


「彼女の『魂』は、外見以上に綺麗だぞ~!」

「お前はこれまでに何度もそれを感じて来ているだろぉ~・・・」


「確かに彼女は、お前の好みのタイプに近いかも知れない」

「でもそういう女性なら他にもいくらでもいるだろ?!」


「お前は、彼女の裏表の無い優しさや素直さ、そして何よりも、お前の様なおっさんを真っ直ぐに受け入れてくれる純真さに魅かれたんじゃないのか?」


「それは、彼女の性格では無くて『魂』なんだよ!」

「お前は、彼女の『魂』に魅かれたんだよ!」


「好きになって良いんだよ~!」

「彼女の魂に惚れて良いんだよ~!」


羊の俺は思った。


「そっか~、そうだよなぁ~」

「こんなにハラハラ、ドキドキ、ワクワクさせてくれてさぁ・・・」

「それだけで感謝だよなぁ~・・・」

「日常は、これまでと全く何も変わってないのにさぁ・・・」

「俺は凄い幸せを感じているんだもんなぁ・・・」


「しかし、凄いなぁ・・・」

「遥ちゃんはさぁ・・・」

「彼女は何にもしてないのに、こんなに俺を変えてくれるんだからさぁ・・・」

「そっかぁ・・・」

「分かった!!」


「遥ちゃんが与えてくれる幸せ感は、息子が与えてくれる幸せ感とは違った幸せ感だと思っていたけど、その原因が分かった!」


「今までの息子と池江選手に対して感じていた、『存在』や『生まれて来てくれたこと』に対する感謝だけじゃないんだよ、きっと・・・」

「確かに肉眼で見れば、色んなことがあってほとんど不可能に思えるけどさ、心眼で観れば、大切なのは彼女の『魂』なんだよな!」


「そう!俺は、彼女の魂に魅かれているんだよ!」

「それは、俺の魂が、彼女の魂に、どこか共鳴しているんだと思う!」

「きっとそうだよ!」


羊の俺は、期待する俺に『期待するな!』、『求めるな!』と矛盾した励ましを受けながらも、少しだけ勇気が持てたのであった。


(つづく)

2019年10月17日 (木)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (20)

(20)主夫

池江璃花子選手のことをBLOGに書き終えた時、俺は不思議な感覚に襲われた。


「俺は会ったことも無い他人である池江選手にBeingの感覚を持てた」


「もし、今いる仲間や、これから出会って行く人、全ての人にBeingの感覚を持てるようになったとしたら、俺はどうなるのだろう・・・?」


そう考えていた・・・。


すると突然、以前気になった『主夫』というキーワードが再び頭に浮かんで来た。


「主夫かぁ・・・」


俺は漠然と考えた。

すると突然閃いた。


「そっかー、俺が主夫になれば良いんだぁぁぁー!!」


それまでの俺の思考は、奥さんには普通に家庭に入って主婦になって貰う考え方だった。

俺は自宅で仕事をし、奥さんの生活全てを面倒見ることを前提に考えていた。


そして、家事や育児は仕事の合間に出来るだけ手伝い、一緒にやろうと考えていた。

更には自分の死後の家族の生活のことまで考えていた。

全て自分で抱え込む考え方だった。


だから、まずは経済的な立て直しをしないといけない。

それからでないと恋は出来ない・・・。

それからでないと結婚は出来ない・・・。

そう考えていた。


でも俺は、本当の恋をしたい!

結婚もしたい!

子どもも欲しい!


そう思ってもいた。

矛盾の塊だった。


その矛盾を打開する方法が、『主夫』だと気づいた。

俺は思った。


「遥ちゃんみたいなキャリアウーマンと一緒になれば良いんだぁ~!!」


普通の主夫は、単に外での労働と家事を男女で逆転するだけだ。

奥さんが外で働き収入を得て、旦那が家で家事を行って、奥さんの収入で養って貰う。


しかし、俺の考える主夫は違った。


俺は、29で独立した後、一時期夢を追った時期以外は、全て独りでやってきた。

申告上、個人なのか法人なのかの違いはあれど、基本は独り。


いわゆる自由業。

カッコよく言えば、フリーランス。

悪く言えば、ニート・・・。


で、既に今も家事は一部やっている。


俺は、奥さんの収入を当てにする必要はない。

現状は楽では無くても、少し頑張れば奥さんの生活費ぐらい負担するのはなんとかなると思う。


そう考えると、奥さんの収入は奥さん自身の将来の為に全て蓄えて貰えば良い。

出産後も奥さんは仕事を続ける。


俺は自宅で自分の仕事をしながら、育児と家事をやる。


仮に俺が早くに死んだとしても、奥さんが仕事を続けていれば食べていける。

奥さんは自分の年金が貰えるようになる。


奥さんが仕事とかで悩んだら、俺が相談に乗る。

俺の人生経験を生かして、奥さんの陰のアドバイザーみたいになっちゃったりする。

奥さんの出世を俺が助ける。

俺が内助の功になる!


俺は、多くの人と交わるのが苦手だから、それは奥さんに任せる。

俺は家で、好きな料理をしながら、一人奥さんの帰りを待つ。

俺の仕事は仕事でコツコツやる。

もし奥さんが仕事を辞めて主婦になりたいと言ったら、それは受け入れて、その時俺がなんとかすれば良い。

その頃までには、俺もそれなりに成っている・・・と思う。


そう考えると、今直ぐ2億の資産を作る必要がなくなる。

そうなれば、今直ぐ月収500万になる必要もない。


慌てず、焦らず、じっくり行けば良い。

俺は、『今』を楽しみながら、新しい家族と幸せを築いて行ける!


「これ、凄いよー!」

「凄く良い方法だぁぁぁー!!」


俺は思った。


そして俺は、俺自身で稼いで、俺の目指す『投資家』になる。


俺は若い頃、お金が無くてやりたいことが出来ない悔しさを一杯味わってきた。

しかしその後、何人かの人に、金銭的にも精神的にも、沢山支援して貰った。


だから俺は、自分が若い頃にして貰ったことをしてあげられるような人になりたいと思っているのだ。

その人たちは、俺に一杯期待をしてくれた。


でも俺は、その人たちが生きている内に期待に応えることが出来なかった。

その人たちに対する恩返しの意味でも、俺はそういう人になりたいと思っているのだ。


俺はもう、前面に出るつもりは全くない。

陰で良い。

そうやって、人を育てたい。

そうして、社会に貢献したいと思っているのだった。


あとは、俺が出来るだけ病気とかしないで、介護も不要なほど健康で長生きをする。

そして、ずっと現役で働き続ける。

最後は、家族に迷惑をかけずにコロッと逝く。


人生に一切の後悔も無く、満足感を持って、笑って死んでいける。

俺の目指す、幸福な人生を送ることが出来る。


そう考えたら、思えたのだった。


「今スグ恋をしても良いんだぁー!!」

そう思えたのだった。

そして、俺の中で一番大切にして来た『自由』という価値観。


俺は若い頃からずっと、誰からも縛られる事を拒否し続け、自分のやりたいように、生きたいように生きて来たつもりだった。

しかし、それは外的なもので、一番自分を縛りつけていたものは、自分自身であったことに、俺は気づいたのだった。


そして、俺は思った。


「遥ちゃんみたいなキャリアウーマンかぁ~・・・」

「本当は、遥ちゃんが一番良いんだけどなぁ~・・・」


「そんなの無理に決まってんだろー!!」


またもやそういう期待を木っ端微塵に砕こうとする完全否定の俺が出て来たのだった。


しかし、この時の期待する俺は少し違っていた。

簡単にはボコられなかった。


「遥ちゃんが無理だとしてもさぁ、主夫って道が開けたんだからさぁ、何とかなるよ、きっと!」


期待する俺は、道が開けたことで、以前より少しだが、希望が持てるようになっていたのであった。


(つづく)

2019年10月16日 (水)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (19)

(19)Being

Lちゃんのミュージカルの後、俺はその日のことをBLOGに書いた。


そして、8月になって池江璃花子選手のHPで毎日応援クリックをしていたら、会ったことも無い人なのに、息子以外で初めて、その存在だけで感謝する気持ちが生まれたのだった。


人間は、とかくその人の行為や持っているもので人を評価しようとする。

行為とは、何をしたか、どのようにしたか、どのくらいしたかとかだ。

いわゆる、Doingだ。


持っているものとは、地位や肩書、名誉、財産など、Havingだ。


俺も昔はそうだった。

結果や実績を重視した。

肩書がどうであるかは別にして、決定権を持っている責任者しか相手にしなかった。

めちゃくちゃ傲慢な人間だった。


しかし、それまで築き上げたものを俺は長い時間を掛けながら全て失くしてきた。

もし、一気に失くしていたら、俺は生きていられなかったかも知れない。


今思えば、それは俺を鍛えるがごとく、俺の耐性の向上に合わせて失われて行ったように思える。


最初はお金、そして、会社だった。

お金や会社は、いくらでもどうにかなると思った。

実際、何度か再起のチャンスはあった。


しかし、その後が違った。

俺を支援してくれていた大好きな人たちを失くしていった。

みんな5~60代で癌で亡くなって逝った。

悲しみの連続だった・・・。


いつしか、いらないと思っていた家族が唯一の心の支えとなっていた・・・。

しかし、最後はその家族さえ失った・・・。


もう俺に残されたものは何も無いと思った・・・。


そして、息子に教えて貰った。

『存在』そのものに対する『感謝』と『愛』を。


この時、俺は初めて、『存在そのものに対する感謝』、Beingの大切さを知った。


癌で亡くなって行った人たちの中には、白血病の人もいた。

骨髄移植までして、もう大丈夫となりかけた時、その人は突然亡くなった。


風邪かと思い、会社を早退した3日後に末期癌で亡くなった人もいた。


会社が成長し、俺に「自社ビルが欲しい」と相談していた矢先に、末期癌で余命宣告を受け、数ヶ月後に亡くなって逝った人もいた。


癌の余命宣告を受け、それを俺に告白し、その日が来るまで出来るだけの時を共有し、俺が手を握り締める中で息を引き取って逝った人もいた。


だからかも知れない。


俺は知らないうちに池江選手のHPで、毎日応援クリックをするようになっていた。

選手としての復帰は、二の次、三の次でいい。

どうか無事であって欲しい・・・。

それだけを願った。


そして、8月に入り、俺は突然気づかせて貰った。


俺がクリックをして上げているのではないことを。

俺がクリックをさせて貰っていることを。


応援してあげているのではなく、応援させて貰っているのだと気づいた。

俺の気持ちがそうなったとき、彼女の存在自体に俺は感謝し、涙が溢れて来た。


息子以外で、それも会ったことも無い人の存在自体に感謝している自分に驚いた。

涙が止めども無く溢れて来た。


そして俺は、その想いをBLOGに書いたのだった。


(つづく)

2019年10月15日 (火)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (18)

(18)500円のプライド

Lちゃんのミュージカルを観終えた俺たちは、昼食を摂ろうと店を探して歩き出した。

少し歩くと真昼間からやっている居酒屋があり、そこに俺たち3人は入った。


遥ちゃんからは、日本に帰化したのが3年前だったと聞かされた。


俺は、彼女が日本育ちのハーフなのは知っていたが、もっと以前から帰化しているものとばかり思っていた。
少し驚いた。


そして、Sちゃんからは彼氏が出来たことを知らされた。

遥ちゃんはFBの写真で気づいたと言っていたが、俺は全く気づかなかった。

人の心の変化みたいなところには敏感な割に、そういうところには鈍感な俺だった。


俺は思った。


「ついにSちゃんにも彼氏が出来たか~」

「良かったなぁ~」


20代の頃の彼女は少し攻撃的なところが強かった。

トレーナー研修での俺はいつも怒られてばかりだった。


そして、少し俺が反撃すると、大きな目に涙を一杯溜めて突っかかって来た。

それは、Sちゃんだけではなかった。

Kちゃんも、Aちゃんも、NYの女性陣はみんなそうだった。

アシスタントのCちゃんとNちゃんを除いては・・・。


研修中、俺とMは、良く部屋に戻って飲みながら話した。


「あそこで泣くのは反則だよなぁ~・・・」


おやじ軍団の中で、Hさんは優等生で、褒められてばかりだった。

俺は、そんなHさんが羨ましかった・・・。

しかし、俺とMはいつも怒られてばかりだった・・・。


Sちゃんはこの1~2年位、良い方の母性が出て来て、優しくなった感じが凄くしていた。

俺たちもあまり怒られなくなっていた。

Sちゃんの彼氏は、年下のスポーツインストラクターらしい。

そんな話しの中、遥ちゃんの帰る時間になった。


俺は、最初から飲み代は付き合ってくれたお礼で持つつもりでいた。

しかし、それを言っても遥ちゃんは2,500円を置いて店を出た。


その時俺は、店の外まで送りたくなったが、Sちゃんの目を気にして席を立てなかった。

後で後悔した。


Sちゃんは、この後17時からアンパンミュージアムに行く予定らしく、16時前に店を出た。

会計は1万弱だった。

その時俺は思った。


「やっぱ遥ちゃんは気が利くよなぁ~」


3千円置いていかれていたらほぼワリカンに近かった。

たった500円だがその違いは大きかった。

俺がほぼ半分出せたことで、俺の気は済んだのだ。

彼女はその辺の所も考えた金額を置いて帰ったのだろうと、俺は思った。

しかし、逆のことも俺は考えた。


「俺も小っちぇえなぁ・・・」

「たった500円のプライドってさ・・・」


そして、こういうところで、昭和の人間と平成の人間の違いを感じるのだった。


「でも、小さくてもそういうところで男の顔を立ててくれる遥ちゃんは、やっぱ優しいよなぁ~」


俺は思うのであった。


昭和の人間は気軽に奢りもするし、奢られもする。

そして、人の顔を立てることも知っている。

しかし、平成の人間は、自分は自分、他人は他人、全部ワリカンみたいな感じ。

人の顔を立てるという感覚はほとんど無い。


どちらが善い悪いではないが、世代間のギャップを感じるのだった。

昭和の人間は見栄っ張りなのかも知れないとも思った・・・。

いや、俺が見栄っ張りなのだ・・・。


こうして、俺にとってのこの夏最大のイベントは終わった。

あとは、F夫妻とのBBQだけだと思った。


(つづく)

2019年10月14日 (月)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (17)

(17)初体験

7月28日(日)は、Lちゃんのこどもミュージカルの日だった。

俺は、Sちゃんと遥ちゃんの二人と、関内の花屋の前で10:00に待ち合わせをしていた。


地下鉄関内駅から地上に出ると、外は異常なほど暑かった。

俺は用意した携帯扇風機の風を顔に当てながら目的地へと急いだ。


俺は10分程前に目的地に到着した。

しかし、そこに花屋はなかった。


「あれ?・・・」


俺はスマホの地図を確認したが、場所に間違いはなかった。

俺はビルの中に花屋があるのかと思いビルの入口を探した。

結局、ビルの周りを一周探したがそれらしき入口はなかった。

俺は焦った。


「まずい、花屋が無ければ二人が迷っちゃうかも・・・」


俺は、そのビル1Fのコーヒーショップのテラス席に座っていた男性に声を掛けた。

その男性は犬を連れていて、俺よりも少し年上な感じで地元の人らしく思えた。


「あの~、すみません・・・」

「ちょっとお聞きして良いですか・・・」

「このビルに花屋はありますか?」


男性の回答は、無いと思うとのことだった。

そして、関内ホールの前と目の前の交差点の少し先に花屋があることを教えてくれた。


ビルを一周したせいで、俺は汗だくだった。

とりあえず俺はビルから少し離れた木陰に入った。

そして、携帯扇風機の風力を最強にし、遥ちゃんに花屋が無いことをLINEした。


俺は、ほっと一息ついてビルの方に振り返った。

すると何やら見覚えのある小柄な女性の姿が目に入った。

しかし、そこからでは良く見えなかった。


俺は木陰を出て女性の方へ近づいて行った。

20m位まで近づいたところで、間違いないと思い声を掛けた。


「Sちゃん!」


彼女は暑い中、立って待っていた。

俺は、待ち合わせ場所をもう少し考えるべきだったと反省した。


彼女は、遥ちゃんが少し遅れて来ると言った。

そして、Lちゃんへのプレゼントを買うお菓子屋へ行こうと俺を誘った。

遥ちゃんもそこへ来ると。


俺はSちゃんの後に続いた。


何やら目的のお菓子屋は、焼き菓子では結構有名な店らしい。

甘いものが大の苦手な俺は、全く聞いたことのない店だった。


店に着くと丁度10時のオープンで店を開けるところだった。

先に2人の女性客がオープンを待っていた。

中に入るとエアコンが効いていて一息つけた。


お菓子屋に縁のない俺は、物珍しく中を見て周った。

店は小さな店で、あっという間に見れてしまった。


先にオープンを待っていた2人の女性が先にレジに行った。

続いてSちゃんがレジに行った時、俺はタバコを吸おうと先に外に出た。


外に出て、コーヒーショップの男性が教えてくれた花屋は、確かここら辺だったよなと辺りを見回した。

そして、通りに出て見てみようとした時、遥ちゃんは来た。

Sちゃんも会計を終えて店を出て来た。


通りに出ると直ぐ脇に花屋はあった。


Sちゃんと遥ちゃんは直ぐに花屋に入って行った。

俺は吸いかけのタバコを少し吸ってから中に入った。


店内に入ると、彼女たちはレインボーのバラを見つけて喜んでいた。

花屋に入ること自体、ほとんど仏花しか買ったことのない俺としては、何か恥ずかしかった。


ミュージカルに出る女の子へのプレゼントであることを店員に告げ、俺はアレンジをお願いした。

事前に遥ちゃんが教えてくれていたのだった。


予算を聞かれた。


俺は困った。

こう言う場合、いくら位のものをプレゼントすれば良いのか全く分からなかった。


「3千円から5千円位?」


俺は聞く様な感じで答えた。

店員の女性は困った感じだった。


すると遥ちゃんがディスプレイの中に金額別の見本があるのを教えてくれた。

それを見て俺は、同じ値段でも茎を長くするのと短くするのとでは、見栄えが違うことを初めて知った。


結果、ひまわりを中心に3千円で茎を長めにし、見栄えの良いものにして貰うことにした。

アレンジに15分ほど時間が掛かると言われ、俺たちは外に出た。


外に出て、遥ちゃんとタバコを吸っている時、彼女に言われた。


「はれさんは、ギャング系ですよね」

「カッコイイですよ!」


しかし俺は素直に喜べなかった。

そして、思った。


「ギャング系って・・・」

「まぁ、ヤクザ系よりは良いけど・・・」


そういう強面イメージの自分を変えたいと思っている俺としては、なんて答えて良いのか分からなかった。


その時、Sちゃんがいきなり自撮りで3人の写真を撮った。

なんか恥ずかしかった。


俺は写真に撮られるのが、あまり好きでは無かった。

俺の子ども時代の写真は僅かしかない。

当時カメラは高級品で、家には無かったのだ。

撮られ慣れてなかったのだ・・・。


その後、花束が出来るまでの間、遥ちゃんがLちゃんにプレゼントするお菓子を買いに、さっきの店に戻った。

俺は、先にSちゃんと見ていた店だったので、入口の脇に立って遥ちゃんの買物が終わるのを待っていた。


するとSちゃんが飴細工の指輪を見つけたのだった。

俺は、さっき店に入った時には気づかなかった。


俺は「へぇ~」と思いながらその指輪を眺めていた。

誕生石、蝶、バラがあった。


「遥ちゃんの誕生日は確か3月だったよなぁ・・・」


そんなことを考えながら見ている内に、遥ちゃんにプレゼントしたくなった。

二人への付き合ってくれたお礼には、『鏡の法則』の本を、俺は事前に用意していた。


見ると遥ちゃんはレジで会計をしていた。

Sちゃんは店の中ほどでお菓子を見ていた。


その時俺は、ピーンと来た。

そして、おもむろにSちゃんに声を掛けて呼んだ。


「Sちゃん、Sちゃん、ちょっと来て!」

「これ、好きなのを二人にプレゼントするよ!」

「今日、付き合ってくれたお礼にさ」


俺は言った。


Sちゃんは最初遠慮したが、俺は押し切った。

そして、彼女は赤のバラを選んだ。

そして、会計を終えた遥ちゃんも来た。

俺は言った。


「好きなのを選んで、今日のお礼にプレゼントするからさ」


彼女もバラが良いと言った。

そして俺は、内心何色を選ぶのか興味深々だった。


「白かなぁ・・・」


彼女は申し訳なさそうに、Sちゃんと同じ赤が良いと言った。

その時俺は思った。


「やっぱ女性は赤が好きなんだなぁ・・・」


そして俺は、心の中でSちゃんに手を合わせた。


「ごめん!」

「俺はSちゃんを利用しちゃったよぉ・・・」

「でも、いてくれてありがとう!」

「Sちゃんがいなかったら、きっとプレゼント出来なかったよぉ・・・」


俺はこの時思った。


「飴細工とはいえ、人生初の指輪のプレゼントだ!」


俺は嬉しかった。

女性にプレゼントをして、こんなに嬉しい気持ちになったのは初めてだった。


その後、再度花屋に行った。


花束はもう直ぐ完成のところだった。

直ぐに、ひまわりが映えて黄色の可愛らしい花束が出来た。


これをLちゃんにプレゼント出来るのかと考えると、俺はまた嬉しくなった。


女性に花束を贈るのも、俺にとっては人生初の体験だった。

相手は小学5年生の女の子である。

俺は思った。


「俺は今まで何をやっていたんだぁ・・・」


少し情けなくなった。

でも、嬉しい気持ちが勝った。


「嬉しいものは、嬉しいのだ!」


飴細工の指輪のプレゼントと花束のプレゼント。


俺はこの日、好きな女性にプレゼントする喜びを知ったのだった。


(つづく)

2019年10月13日 (日)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (16)

(16)あれっ?!

週末になり、翌日にLちゃんのミュージカルを控えた俺は、普通に戻っていた。


翌日は、Lちゃんのミュージカルで、帰ってから晩飯は作れないと考えた俺は、翌日分のことも考えて料理した。


俺は若い頃、バイトでコックをやっていた経験から、ある程度の料理は出来るのだ。

20代はじめの頃、バイクの事故で左手首を骨折したことで左手が麻痺し、包丁が握れなくなってからは全く料理はしていなかったのだが、息子と再び一緒に暮らし始めてからは、息子のために毎晩料理をするようになったのだった。


息子のための料理は約30年振りの再開だった。

直ぐに昔の感覚は取り戻せた。

今では、料理は俺の趣味みたいになっている。


ある意味、シングルファザーみたいなものだ。


息子が高校生の頃は、剣道の稽古日以外は、毎晩俺の手料理で息子と一緒に食べる晩飯が俺の生きがいみたいになっていたのだ。


息子が大学生になってからは、その機会は半減し、目下の俺は一生懸命子離れをしている最中だ。


この日の俺は、翌日分として『鮭の南蛮漬け』、そして当日分は『鶏のチリソース』を作った。

そして、トリチリはパスタにした。


俺は麺類が大好きなのだ。

ラーメンを筆頭にパスタ、うどん、そば、そうめん。


パスタは色々とアレンジ出来るから良く使う。

俺はパスタにする時、ミートソース以外は、普通の店で食べられるようなパスタにはほとんどしない。


キーマカレー、トリチリ、トンテキ、生姜焼き、チキンホワイトソース、ボルシチ風トマトソース、ハッシュドビーフ、そして、あんかけ類などなど。


その日もそんな感じでいつものように調理中の写真を遥ちゃんにLINEした。


調理の写真も最初はコーチの3人に送っていた。

しかし、遥ちゃん以外は喜んでくれている感じがしなくて、途中で止めた。

俺は、そういう所を微妙に感じ取って距離を空けてしまうのだ。


彼女だけは反応が違った。

作り方を聞いてきたり、自分が作ったものの写真を送ってくれたりした。

俺は、喜んでくれていると感じた。


だから、ちょくちょく送っていた。

特に何かを求めていた訳ではない。

最初は、俺が少しでも優しい人になるための練習のつもりだった。


しかし、彼女に調理中の写真を送り、彼女が反応してくれると、俺は嬉しかった。

何か新しいメニューを作った時は、ほとんど送っていた。

キッチンで飲みながら作っていて、彼女から返信が来ると、嬉しくて楽しかった。


その日も『鮭の南蛮漬け』と『トリチリパスタ』の画像を送った。


彼女は、『飯テロ!』と喜んでくれた。

俺は何気なく、「良い主夫になれるでしょ?!」と返信した。

返した後、俺は思った。


「あれっ?!」


何か閃きに近いものを感じた。

しかし、その時は閃かなかった。


既に飲んで、食事も終りにしようとしていた。

翌日のことも考え、早目に寝ようと思った。


しかし、何かが引っ掛かっていた・・・。

俺は、また後から考えれば良いと思った。


『主夫』というキーワードだけは記憶したのであった。


(つづく)

2019年10月12日 (土)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (15)

(15)羊の俺の中の4人の俺

羊になった俺は、もうどうして良いか分からなかった。


「まさか、彼女が・・・?!」と期待する俺。

「絶対にありえない!!」と完全否定する俺。


両者の戦いが始まったのだった。


有利なのは、完全否定する俺だった。

なぜなら、そっちの方が羊の俺は傷つかないし、楽だったからだ。


そこへ、完全否定され、負けを認めて逃げようとする期待する俺を、無理やり応援する、セコンドのような、やっかいなもう一人の俺が出て来た。


「そんなことはない!」

「大丈夫!」

「心配するな!」

「なんとかなる!」

「彼女は、ダメなおっさんのお前の全てを受け止めてくれる、凄く優しくて良い子だ!」


羊の俺の中で3人の俺の闘いが始まったのだった。


期待する俺は、完全否定する俺にボコボコ状態だった。

それなのに、無理やり「大丈夫!」と応援する俺・・・。

ボコボコにされている期待する俺は思うのだ。


「もぉぉ~、勝手に応援してんじゃね~よぉぉぉ・・・」


羊の俺はどうして良いか分からなくなった。


ほとんど思考停止状態になった。


するとそこへ、レフェリーの様なもう一人の俺が出て来て言った。


「はい、みんな~、一旦落着きましょう!」

「まだ、何の証拠も無い」

「みんなの勝手な想像でしかないから、これ以上考えても無駄だよ~」

「考えるのは一旦、やめましょ~う!」


羊の俺は思った。


「そうだ、そうだよぉぉぉ・・・」


羊の俺は、ほっと胸をなでおろして思った。


「は~、良かったぁ・・・」

「一時はどうなるかと思ったよぉ・・・」


羊の俺は、それ以上考えることを止めたのだった。


(つづく)

2019年10月11日 (金)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (14)

(14)あのね

7月の研修の後、それは突然やって来た。


FBで、Sちゃんの保育園での『あのねシリーズ』が、新しい職場で漫画化されたのを俺は見た。

そして、遥ちゃんはSちゃんと『ディズニーシー』に行った写真を送ってくれた。


頭に犬の耳を着けて、ヒゲを書いて、右手の爪を立て、『ガォー』とやっている写真の遥ちゃんは、めちゃくちゃ可愛かった。


俺は翌日、Sちゃんの『あのねシリーズ』にかけて、何気なくLINEを送った。


俺の一番好きな『あのね』はこれだよと。

MISIAの『アイノカタチ』のYoutube動画を付けて。


俺は、『アイノカタチ』を毎日何回も聴いていた。

言い聞かせのバックミュージックに使っていたからだ。

今の俺の一番大好きな曲だった。


すると彼女から、「超超超奇遇!!」と返信が来た。

彼女も6月頃に知って、カラオケで歌えるように移動中聴いているとのことだった。


俺はビックリして思った。


「マジでぇ~?!」


そして、冗談半分で返信した。


「もしかして、俺に聴かせるために、この曲と出会ったのかもよ?!」


しかし内心は違っていた。


「えっ?!えっ?!えーーーーーーーーーーーーー!!」

「なんでこんなにシンクロしているんだぁぁぁぁぁ?!」

「まさか・・・」

「遥ちゃんなの・・・?!」

「もしかして・・・」

「俺たちどっかで繋がっているのか・・・?!」


4月の研修の時に感じた、彼女の「やきもちぃ・・・?!」の時に感じた感覚と同じだった。


そして、俺は、『アイノカタチ』の曲の中で、俺が一番好きな最後のフレーズ個所を伝えると、彼女もそこが一番好きだと言った。


俺は更に、「えーーーーーーーーーーーー!!」だった。


確かに彼女は俺の理想には近かった・・・。


でも、でも・・・、でも・・・・・・、なのであった。


彼女は、今の俺の周りにいる数少ない異性の中では一番大好きな子であることは間違いなかった。

しかし、そんなことはありえないと完全否定している俺がいるのだ。


なぜなら、彼女は初婚。

俺の中では、可能性があるとしたらバツ1のシングルマザーとかだろうと勝手に思っていたのだった。


更には、万一この先、彼女が思いを寄せてくれたとしても、お父さんはMグループの社長なのだ。

状況的には、どう考えてもありえないのだ・・・。


しかし、俺は今年の始めから一日も欠かすことなく、自分に言い聞かせを行って来た。


◆私は、30代の健康で明るく、スリムで美しく、優しくて思いやりに満ち溢れた、可愛い性格の素敵な女性と出会い、相思相愛となり、人生最後の本当の結婚をします。


そして、その相手との在り方も具体的にしていた。

更には、家族や趣味の面とかでも、俺は相手との関係性を具体的に書いて、自分自身に言い聞かせて来た。


そして、そういう人と、俺は必ず出会い結ばれると信じて来た。

なぜなら俺は、これまでの人生での出会いの全てが、自分自身が望み与えられたものであることを知ったからだ。


成功も、失敗も、喜びも、悲しみも、寂しさも、苦しみも・・・。


だから俺は、自分のこれまでの人生の意味を知ることが出来た。

そして、これからの人生の在り方も知ることが出来た。

天命を知ったのだ。


そして、天命を全うする為には、欠けがいのないパートナーが必要なことも知った。

そのための『言い聞かせ』なのだ。


しかし、そのパートナーが、まだ誰なのかは分からなかった。

可能性としては、年初にコーチに選んだ、Sちゃん、Kちゃん、遥ちゃん、3人の友人とか知人とかは、もしかしたらと考えることはあった。


遥ちゃんからも、恋愛コーチとして、コンフォートゾーンを広げるようにアドバイスをして貰っていたのだ。


そこへ突然、彼女が、「えっ?!えーーーーー!!」と思わせる状況で現れたのだ。


確かに、俺が行っている言い聞かせの、ほとんど全ての条件に彼女は当てはまる・・・。

彼女とだったら、俺が理想とする家庭を築けるかも知れない・・・。


しかし、しかし・・・、しかし・・・・・・、なのである。


もう一人の俺は、完全否定しているのだ。


そして、俺は羊になったのだった。


(つづく)

2019年10月10日 (木)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (13)

(13)こどもミュージカル

俺は、遥ちゃんに『恋愛アドバイザー』を頼んだ後、あることを思い出した。


少し前にTの娘、『Lちゃん』から、彼女が出るミュージカルに誘われていたことを。


俺はLちゃんに初めて会った時、なんて小さくて可愛い子なんだろうと思った。

目鼻立ちがハッキリした、めちゃくちゃ美人な訳ではないのだが、『和風美人』だった。


俺は、洋風の派手な顔つきより和風の方が好きだった。


昔だったら、『中森明菜』、『夏目雅子』、『岩下志麻』、『小川知子』、『山口智子』などだ。

今は、当時より少し変わってきていると思うのだが・・・。


Lちゃんは、会った瞬間、きっと大人になったらスッとした顔立ちの和風美人になると思ったのだった。


そのLちゃんに、彼女が出るミュージカルに誘われたのだった。

それも助演だと言う。


俺は、めちゃくちゃ応援したくなったのだった。

しかし、まだ少し先だと思っていたので、俺は忘れていた。


そして、遥ちゃんに『恋愛アドバイザー』を頼んだ後、思い出したのだった。


そして俺は思った。

俺一人が行くより、誰か誘ってあげた方が良いのではないかと。


その時俺は、なぜか『頑張れ!Lちゃん!!』と、大きく書いた横断幕を舞台に向けて広げ、大声で応援しているイメージが湧いて来た。

まるで『歌合戦』の応援だった。


しかし、何か違うと思った。

子どもがやるミュージカルがどんなものなのか全く分からなかった。


ミュージカルは、昔ニューヨークで、『Cat‘s』を一回観たことがあるだけだった。

ただ、あまり憶えていない。


俺は考えた。

そして、閃いた。

Sちゃんは子どもの頃、ミュージカルをやっていた。

遥ちゃんも舞台女優をやっていた。


子どもの時から同じような夢を追っていた二人に、感想とか言って貰えたら、きっとLちゃんが喜んでくれるのではないか。


俺は、そう考えた。

そして、思った。


「間違いない、きっとそうだ!」

「俺みたいな、ど素人のおっさんの『良かったよ』なんていう上っ面の言葉より、若い経験のあるお姉さんからの具体的な言葉の方がきっと嬉しいはずだ!」


「二人なら、子どもがやるミュージカルがどんなものか知っているはずだ!」

「そうしたら、色々分からないことも教えて貰えばいい!」

「そうだ!そうしよう!!」


俺は早速、遥ちゃんにお願いしてみた。


直ぐに気持ちの良い、嬉しくなる返事をくれた。

そして、Sちゃんには遥ちゃんから声を掛けてくれると言ってくれた。


その後、どんな格好で行ったら良いのか?

お花とか贈った方が良いのか?

俺は、遥ちゃんに教えを請うた。


彼女は俺に、嫌な感じも、面倒臭さも、全く感じさせることが無かった。

そして、親身に相談に乗ってくれたのだった。


俺はコーチに頼もしさを感じたのだった。


(つづく)

2019年10月 9日 (水)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (12)

(12)恋愛アドバイザー

6月の研修の後、俺はひょんなことから遥ちゃんに、『恋愛アドバイザー』になってくれるようにお願いした。


この時の俺は、ただ彼女に元気になって貰いたいと単純に思っていた。

そして、俺自身も若い女性の考え方を教えて貰えたら一石二鳥だと思った。

その時から、彼女は俺の『恋愛コーチ』になった。

俺は思っていた。


実際、いくら若い30代の子と恋や結婚をしたいと考えていても、俺が昭和のおっさんのままでは誰も相手にしてくれないと。


そのためには、誰かに教えて貰わないといけないと思っていた。

俺の10代の頃からのヤンキーのセンスのままでは、どうすることも出来なかったのだ。

唯一やったのは、一年ちょっと前から髪を伸ばしたことだけだった。


服装とか持ち物とか、そういうところも変えたかったのだ。

そういうところを変えていくことで、考え方や捉え方も変えていきたいと思っていたのだ。


そして、一番の問題は臭い。

体臭の問題だった。


俺は、俺自身が結構臭いには敏感だと思っている。

エレベーターとかで少し強い香水の臭いがしたりすると、直ぐに気持ちが悪くなってしまう。


飲み屋の若い女性から教えて貰った香水を使ってみたこともあるが、少し多く付け過ぎると、自分が気持ち悪くなってしまうのだ。


そして、自分では加齢臭が普通の人より強いのではないかと思っている。

しかし、実際には自分の臭いは分からないのだ。


でも、自分では分からないから良いというものではないと思うのだ。

時々、凄い体臭の人がいたりすると、なんで何もしないのかと思ってしまう。

特に家族がいる人だと、何故家族は教えてあげないのかと。


だから俺は、以前は毎日体臭を抑えるサプリも飲んでいた。


しかし、別れた妻は、毎晩寝る前に、必ず消臭剤を一階に蒔いてから寝ていたのだ。

俺が晩酌を終え、寝るためにリビングから二階に上がると必ず。

俺は、元妻とは息子が生まれてからは、寝室は別にしていた。

俺は、息子が生まれるまで気づかなかったのだ。


それまでの彼女は、常に俺より遅く寝て、俺より早く起きていたのだ。

だから気づかなかったのだ。

彼女のイビキの凄さに。

まるで怪獣だった・・・。

気づいた時には手遅れだったのだった・・・。


俺は最初の離婚の後、もう二度と結婚はしないと思った。

そして、元妻とも別れようと思っていた矢先に息子が出来てしまった。

当時は、家族を持つつもりは全く無かったのだが・・・。


彼女は言った。


「一人で育てるから生ませて欲しい・・・」


俺は、言った。


「好きにしていいよ」

「一緒に居たい内は、一緒に居て良い」

「嫌になったら、出て行って良い」

「但し、結婚はしない」


息子は認知した。

そして、籍は入れなかった。

彼女は内縁の妻となった。

彼女もそれを承知していた。


しかし、息子が小学校へあがる時、入籍の必要性が出てきた。

息子に罪は無い。

俺は、息子が20歳になるまでとの約束で入籍を認めたのだった。


そんな元妻の毎晩消臭剤を蒔いている姿を見る度に、俺は嫌な思いをした。


「そんなに俺は臭いのか・・・?」


俺がリビングに行くのは、晩酌の時だけだった。

風呂に入った後の僅か2~3時間だけだ。


1階の8畳のキッチン、12畳のリビング、そして8畳の和室は元妻と息子のスペース。

そして、2階の6畳3室は全て俺のスペースと、俺たちは上下で分けて暮らしていたのだ。


俺は、病気にならない限り、必ず朝晩二回風呂に入る。

石鹸もなるべく臭いを抑える様なものを使っている。

そして、実際、元妻にも聞いたことはあった。


「俺はそんなに臭いか?」


元妻は、あなたは朝晩お風呂に入っているから、そんなことはないと言ってはいたが、彼女が毎晩消臭剤を蒔いている姿を見せられると、俺は信じられなかったのだ。


飲み屋の女性に聞いても、みんな答えは同じだった。

飲み屋の女性が客に直接、『臭いですよ』なんて言える訳がないのだ。

俺は、聞くたびに、「聞かなきゃ良かった・・・」と後悔した。

しかし、臭いの不安は無くならないのだ。


「俺は臭いで他人に迷惑を掛けているのではないのか?」


俺は、もし自分が望むような女性と出会い結ばれたとしたら、寝室は必ず一緒にする。

やはり、男と女は、Hをするかどうかだけではなく、肌の触れ合い自体が大切なことだと、俺は思っているのだ。

そう考えると、臭いの問題は大問題なのであった。


ベッドを共にして、隣で寝ている人の臭いが良いのか悪いのか・・・。

そう考えた時、俺は思った。


自分の体臭を消す事は出来ない。

だから、体臭と香水を合わせた臭いが、良い臭いになる香水を見つけないといけないと。


そして、その『良い臭い』とは、自分にとってではなく、相手にとってである。

そういう意味では、若い女性に好まれる臭いを知らないといけないのだった。


そして、誰かに相談したいと思っていても、誰にでも相談出来ることではなかった。

Sちゃんにも、Kちゃんにも相談出来なかった。


俺はこの5~6年間、ずっとその相手を探して来ていたのだ。

遥ちゃんに『恋愛アドバイザー』を頼んだ時、俺は思った。


「もしかしたら、遥ちゃんにだったら、相談出来る時が来るかも知れない」


そう思ったのだった。


(つづく)

2019年10月 8日 (火)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (11)

(11)優しく出来るようになりたい

俺は遥ちゃんが彼とよりを戻したと聞いて安心していた。


ところが、5月の研修の時だった。

俺は、みんなとは少し離れた所に座って、タバコを吸っていた。

そして、遥ちゃんは俺の隣へ来て座った。

そして、つぶやいた・・・。


それは、お父さんに別れさせられたというものだった。

結婚も考えていたのにと。


俺は、それは辛いし、悲しいし、悔しいだろうなぁ・・・と思った。

涙が出そうになった。


しかし、口には出せなかった。

口にしたら、俺の方が涙が出て来てしまいそうだった・・・。

ただ、肩を軽く叩いてあげることしか出来なかった・・・。


俺は思った。


「彼女は裕福な家庭に育ったお嬢様だ」

「普通の人に比べたら、かなり幸せなのだろうと、周りからは思われるだろう」

「でも、普通の人には分からない、そういう家庭に育ったからこその悩みや苦しみがあるのだろうなぁ・・・」


そう思った。


しかし、それがどのようなものなのかは、俺には分からなかった。

ただ、彼女の中の辛さ、悲しさ、悔しさ、苦しさ、みたいなものは感じた。

そして、肩を軽く2回、ぽんぽんと叩いた。


勇気を振り絞って・・・。


4月の研修の後、俺は悩んでいた。

4月の研修初日のことだった。


第一項目から第二項目への切り替えの時間に俺は研修会場に到着した。

以前の俺は、二泊三日の研修で三日間フルに参加していたが、この1年程は、初日午後の第二項目から二日目夜の第四項目までの最も重要な部分だけに参加し、三日目の朝に帰る形が俺のスタイルになっていた。


俺は試験室のいつもの席に座った。

すると、突然Kちゃんが、俺の隣に来てしゃがみ込んだ。

そして、涙を流し始めたのだった。

俺は、「どうした?」と、聞くことしか出来なかった。


どうやらKちゃんは、久し振りに第一項目の試験受けをやって、上手く出来なかった自分を責めているようだった。


俺は、優しく頭をぽんぽんとして、撫でてあげたくなった。

しかし、出来ずに余計なことをしゃべってしまった。


更に二日目、第四項目の試験受けの後、俺はタバコを吸いに行った。

そこに、Kちゃんと遥ちゃんがいた。

遥ちゃんは、上手く出来なかった自分に悔し涙を流しているようだった。


その時俺は、彼女を優しくハグしてあげたくなった。

しかし、出来なかった。

そして、また余計なことをしゃべった。


研修の後、この二回の場面で、俺は優しくしてあげたかったのに、何も出来なかった自分に後悔した。


恥ずかしさというか、照れというか、俺みたいなおっさんがそんなことしちゃまずいだろうみたいな、そういう自分の気持ちに負けて優しく出来なかった。

そして、それを隠すために余計なことをしゃべった。


そんな自分が情けなかった。


そして、何日間か、どうしたら良かったのかを考え続けた。

しかし、自分では分からなかった。

そして、俺は意を決した。


二回の場面の両方に居たKちゃんにLINEを送った。

その時の自分の気持ちを伝え、教えて欲しいとお願いした。


ああいう時どうしたら良かったのかを。

女性としたらどうされたかったのかを。


Kちゃんからは、そんなに悩んでいたとはと笑われた。


そして、異性だから頭ぽんぽんとかハグは難しいですよね。

何もしないで聴いてくれるだけでいいと教えられた。

今のままのはれさんで良いと言われた。


でも俺は、優しくなりたい、優しく出来るようになりたいと心底思っているのだ。


優しくするって凄く難しいと感じた。

でも、俺の中で何かが変わろうとしているのも感じた。


以前の俺だったら、ハグとか、頭ぽんぽんとか、考えもつかなかったことなのである。

そして、KちゃんからのLINEには、異性だから『難しい』とは書かれていたが、『ダメ』とは書かれていないことにも気づいた。


だから、5月の研修の時、俺の隣に座って遥ちゃんがつぶやいた時、俺は勇気を振り絞った。


彼女の肩を、かすかに、触れる程度で、優しくぽんぽんした。

喉から心臓が飛び出しそうだった・・・。


そして研修の後、彼女のことがすごく心配になった。

同じ別れるにしても、自分で決断したのと、お父さんに決断させられたのとでは、心の痛み方が違うだろうと思った。


そして、少しでも早く立ち直るためには、出来るだけ聴いてあげることなのではないかと思った。


久し振りに俺自身が行きたいのもあって、昔行き付けだった麻布十番の蕎麦屋での昼酒を誘った。


彼女からは、「行きたい!行きましょう!」と返信があった。

しかし忙しかったのか、その後蕎麦屋の話しは、その後出なかった。


(つづく)

2019年10月 7日 (月)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (10)

(10)ん? えっ? あれっ??

4月に入り、言い聞かせのバックミュージックをMISIAの『アイノカタチ』に変えた。


この曲は、昨年放送されたドラマ、『義母と娘のブルース』の主題歌だ。

綾瀬はるかは、俺の好きな女優の一人だった。

そして、MISIAが歌うこの曲は、俺の心に響いて来る感じが凄く強かったのだ。


この頃の俺は、まだ自分の望むような女性とは出会っていないと思っていた。

これから出会わないといけないと思っていた。

しかし、普段どこにも出かけない俺に新たな出会いがある訳はないのである。


自分では、「恋がしたい!結婚したい!」と思っていても、そのための行動は全く何もしていないのだ。


ふざけたおっさんである。


しかし俺は、その時が来れば必ず現れるとの確信だけは強いのだ。

『根拠のない自信』だ。


俺は昔から、『100人の友だちよりも、1人の大親友が居れば良い』という考え方で生きて来た。


実際、順調な時に、どんなに多くの人と付き合っていても、お金や地位を失うと、ほとんどの人が居なくなり、実際には本物の友しか残らないことを、俺は身を持って知っているのだ。


そして、出会いは運命であり、与えられるものだと信じて来た。


実際、これまでの人との出会いは予想外のところから突然やって来た。

恋愛だけではなく、仕事にしても何にしても。

俺のこれまでの人生は全てそうだった。


望めば与えられた。


しかし、自分の欲から捕りに行った出会いは、出会えても実を結ばないことも知っていた。

そして、出会いがあっても、お互いの機が熟さないと実を結ばないことも。

逆に、熟しているのに気づけないと実を結ばないことも。


俺は、若い頃からずっと、出会いは偶然の様に見えても、未来の自分から見たら必然のものだと信じてきた。


だから、俺がどんなに望み努力をしても、その運自体がなければ出会いは無いし、運があれば必ずチャンスはやって来ると信じているのだ。


『幸運とは、準備がチャンスに巡り会うこと』

俺の大好きな言葉だ。

そして俺は、その運は普通の人より、かなり強いものを持っていると勝手に思っている。


なぜなら、これまでに出会い、太い絆になった人たちは、本当に善い人たちばかりだったからだ。

数は多くなくても、俺は人には恵まれていると思っているのだ。


そして、やはりそれは突然やってきた。


4月の研修の時、突然「え?」「あれっ?」と思う出来事があった。

初日か2日目かは忘れたが、食事に行く時、遥ちゃんは女性のM社長に言ったのだった。


「はれさんは、E子さんにもLINEしているんですよぉ~」


俺は、瞬間的に答えた。


「え~、遥ちゃんだけだと思ってた~?!」


しかし、内心では別のことを考えていた。


「なんだよぉ~、遥ちゃん、そういうことは言わなくて良いのにぃ・・・」

「なんでも言っちゃうんだなぁ・・・」


そうなのである。

彼女は、俺とのLINEを以前からM社長に見せていたのだ。


いつもの俺なら、それだけで彼女との距離を空けているはずだった。

俺は、他人のことを口外することは好きでは無かった。


若い頃、何度も警察のお世話になりながらも、俺は一度として仲間の名前を出したことは無い。

自分が助かる為に仲間を売るような考え方が大嫌いだった。

口は固く、秘密主義だった。


だから、『今だから言える』というようなことが沢山ある。

昔の俺だったら、『口の軽い女』と見ていたはずなのだ。

しかし、何故か彼女にはそうはならなかった。


逆に、彼女のオープンさが、素直さ、そして純真さに感じた。

そして、彼女は研修で会い、M社長といる時、良く俺に言ったのだ。


「はれさんは、私のことが好きですよねぇ~」


いつもの俺なら、笑って誤魔化すところなのだが、彼女には違った。


「あぁ、好きだよ~」


もしかしたら俺は、この頃から彼女に暗示を掛けられていたのかも知れない・・・。


そして、E子ちゃんにLINEしたことをM社長に言った(チクッた)彼女の気持ちを考えた。


「ん・・・?」

「ちょっと待て・・・?」

「えっ・・・?」

「あれっ・・・??」


「えっ?!」

「遥ちゃん、もしかして俺にやきもちぃ??」

「嫉妬・・・?!」

「ジェラシー・・・?!」


「まさかなぁ・・・」

「ないない、ある訳ない・・・」

「彼氏もいるんだしさぁ・・・」


俺は、勘違いしてしまいそうになった自分を恥じた。

そして、慌ててその気持ちを打ち消した。


そして、その後も俺は、いつもの調子で彼女にLINEをしていた。

突然GWに、彼女から彼氏と別れたと連絡が来た。


何とか励ましたいと思って、色んなことをLINEに書いて送った。

すると翌日、遥ちゃんから直接電話が掛かって来たのだった。


彼女は泣いていた・・・。

俺は焦った・・・。


何とか、慰めてあげたい・・・。

何とか、力になってあげたい・・・。

しかし、気が利いたことは何も言ってあげられなかった・・・。


電話の後、俺は自分が情けなくなった・・・。


しかしその後、彼女から彼とよりを戻したと連絡が来て、本当に良かったと思ったのだった。


(つづく)

2019年10月 6日 (日)

応援メッセージ

池江 璃花子 様

私は昨日、貴女のHPから『応援メッセージ』を送ろうと思い、貴女への手紙を書きました。

でも、送れませんでした。

きっと、文字数が多過ぎて送れないのかなと思いました。


普通に『頑張って下さい』とか、『負けないで下さい』とか、『応援しています』とか、そういう短い言葉なら良いのでしょうが、既に懸命に頑張っている貴女に、私はそういう言葉を送りたいと思わなかったのです。

そして、書き始めたら随分と長いものになってしまったのです。


今朝も再チャレンジで送信を試みましたが、やはりダメでした。

そこで、ブログに掲載だけすることにしました。


『想いよ、届け!』という気持ちで。


池江 璃花子 様 (10月5日記載)

初めまして、璃花子さん。

『晴太老』と申します。


私は、貴女と同じ年の息子を持つ、今年55歳になる一人の父親です。

ただ、私の場合、普通の会社員として、家族を支え守り続けている世の中の父親たちとは少し違う生き方をして来ています。


カッコよく言うと『波瀾万丈』ですが、普通に考えると『しくじりばかり』の人生を歩んで来たのです。
ただ、生き方としては、自由に、自分の生きたいように生きて来たと思っています。


ある人から教わった言葉ですが、人を成長させる『3つのT』。

『倒産』

『投獄』

『闘病』


今の貴女は、その内の一つを経験している最中ですね。

私は、今の貴女と同じ歳の時には、鑑別所に入りました。
その時は、二回目の事件を起こした時でしたので、本来は中等少年院への送致が内定していたのですが、今は亡き親父の機転で少年院送致を逃れ、保護観察処分で済みました。


40になる頃、それまで経営していた会社を潰しました。

手形の不渡りを出した訳ではなかったので、完全な倒産ではありませんが、債務弁済が出来なくなったので、ほぼ倒産と同じです。


私は、3つのTの内、これまでの人生で2つのTを経験して来ました。

『倒産と投獄』です。


残るは、今の貴女が経験されている『闘病』です。

そして、それとは別に2回の離婚を経験しました。


2つのTと離婚の精神的ダメージは、実は私にとってはさほど大きな問題ではありませんでした。

しかし、6年前の2回目の離婚による、最愛の息子との別れだけは耐えがたいものがありました。

息子が中一の時でした。


当時の息子は母親との生活を選択し、母親と共に出て行きました。

その後、私の心は完全に折れ掛け、一時は息子をさらって一緒に死ぬことを考えたこともありました。

しかし3年前、息子は改めて私との生活を選択し、今では一緒に暮らしています。


今の私には、息子と一緒に食べる夕飯(晩酌)の時間が、最も大切な時間になっています。

そのような私にとっての現在の座右の銘は、『明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい。』というものです。


人間は、過去に囚われ、執着した後悔と、未来に不安を抱き、怖れを感じる生き物だそうです。

人間の悩みは、全て過去と未来を見た時に発生するのだそうです。


それを打破するのは、『今、ここ』に集中することですよね。

貴女は、その力で、日本を代表するトップアスリートになったのでしょうね。


闘病中の貴女にとっての『今、ここ』は、病と闘うことに気持ちが行ってしまうと思います。

でも私は、闘病中の今の貴女の目の前にある、些細な幸せを感じることにあると思います。


日々、多くの苦しみと闘っている貴女には、大変なことかも知れませんね。

でも、是非とも感じて下さいね。

些細な幸せを。


『幸せ』は、頭で考えるものでは無く、心で感じるものですからね。

私は50を過ぎて、やっとそれに気づいてきました。


『Don’t think. feel !』 (考えるな!感じろ!)

ブルース・リー、『燃えよドラゴン』の名セリフです。 (貴女の歳だと知らないかも知れませんね。)

私の大好きな言葉です。


実は、私は7月下旬に一度、貴女に応援メッセージを送ろうとしました。

しかし、その時は送れませんでした。

貴女のご両親の気持ちやお兄さん、お姉さんの気持ち、身近な友人たちの気持ち、そして何より貴女自身の気持ちを考えた時、掛ける言葉が見つからなかったのです。


私は、正直なところ、特別競泳のファンだったり、貴女のファンであった訳ではありません。

時々スポーツニュースで見掛けて、「若くて凄い子が出て来たなぁ」、「スポーツ選手としては、顔立ちの可愛い子だなぁ」と思っていたくらいでした。


偶然、5月8日の昼頃に、LINEニュースで貴女のオフィシャルサイトの開設を知りました。

最初にHPを見た時の応援クリック数は、5000位でした。

HP内を見て周り、私が応援クリックをしたのは8819(パパイク)でした。

もう一度クリックしてみると、二度目は出来ませんでした。

そして、単純に一人一回だけなんだなと思ったのです。


その後、時々サイトを見ると、1時間で1万人位のペースでクリック数が増えていることにビックリしました。

そして、時々覗いて見ては、クリック数のペースが落ちてはいても、数字が伸びていることで嬉しくなりました。

みんな池江選手のことを心配して応援しているのだなと思い、流石トップアスリートだなと思ったのです。


最初の内は、単純にどのくらいの数になるのか興味があり、眺めている感じでした。

日に日に増加スピードが落ちて行くのを見ていると、逆に寂しさを感じました。


私は、一人一回なんだと勝手に思い込んでいたので、貴女のHPを何度も見てはいても、その後クリックはしませんでした。

しかし、その数が30万位の頃、私は無意識に応援クリックを押してしまったのです。

すると、最初に見た沢山の『ありがとう』が出て来て、初めて一人一回なのではなく、一日一回なのだと気づいたのです。


その後は、HPを見る度に、大体週に2~3度位のペースでクリックしていました。

そして、クリックしている内に応援メッセージを送ってあげたいなと思ったのです。

それが、7月下旬でした。


それまでは、日本のトップアスリートの『池江選手』という目で貴女を見ていました。

しかし、応援メッセージを送ろうとしたら、同じ19歳の子を持つ親としての気持ちになり、貴女のご家族の気持ちを考えて送ることが出来なくなったのです。

そして、送れない代わりに、私はその日から毎日貴女の無事を願ってクリックをすることにしたのです。


すると、まだ会ったことも無い、ただTVで見ただけの貴女に多くの気づきを与えて貰えたのです。

そして、涙が溢れて来たのです。


私は、その想いを私の個人ブログに書きました。

このブログは、私がこれまでの人生での気づきを少しずつ綴っているだけのものですから、読者はいません。


ただ、偶然にも私のブログに出会ったしまった方や、将来、息子が私の歩んで来た道の一部を知るきっかけになり、将来息子が歩んで行く道の一助になれば良いなとの想いで日々綴っています。


私は、先にも書いた通りの経験をして来ている事から、今の私に息子に残せるような資産は何もありません。

ただ、『言葉』は遺せるのではないか、との想いでブログに綴っているのです。


しかし、毎日クリックしていると面白いことが沢山あります。

8月頃は、日々の増加数が2~3000ずつ増えていましたね。

そして、何かあると、一気にその増加数が8000~10000位増えるのです。


毎日のクリックする時間は一定ではありませんが、ある時から、クリックした時の数を記録するようにしたのです。


すると、8月24日に、『883114』だったのです。

この数字を眺めていて、私は突然気づいたのです。

『パパさん、イイヨ』だと。


なんか、凄く褒められた感じがして、私は一人で嬉しくなりました。

私は、画像で保存しました。


少し前にTVで、貴女がプールサイドで日大の応援に出ている姿を見た時には、「やっと外出できたんだなぁ」と思い、思わず涙が溢れて来ました。

一緒にTVを見ていた息子に、「とうちゃん、なに泣いてんだよ」と、笑われてしまいました。


一昨日の応援クリックが100万を超えた時は、前日が995817でした。

私は、明日か明後日には100万達成だなと思っていました。


そして、朝8時頃に見ると、999200位でした。

私は、今日100万行くなと思い、もう少し待ってからクリックしようと思ったのです。

少しでも100万に近づきたいと思ったのです。


そして、12時位にクリックしようと思っていたのが、うっかりして15時過ぎになってしまったのです。

すると既に100万を超えていて、私がクリックしたのは、1000402でした。


その時の私の気持ちは、ブラックジャックで21を狙いながらドボンになってしまったような気持ちでした。

私は、『100万に近づきたい』という欲に負けたのです。

思わず、自分の愚かさに笑ってしまいました。


長々と無意味なようなことを書いてしまい、申し訳ありません。


でも、伝えたかったのは、私はこうして会ったこともない貴女に日々幸せを頂いているということです。

『この時代に生まれて来てくれてありがとう』という想いです。

貴女は、『記録』にも、そして人々の『記憶』にも残る人に既になっていますよね。


貴女は、人並み外れた精神力の持ち主なのだろうと思います。

でもそれは、トップアスリート『池江選手』としての貴女だと思います。

しかし本当の貴女は、ごく普通の19歳の一人の少女だとも思います。


今回、私がこのメッセージを送ろうと思ったのは、日本のトップアスリートとしての『池江選手』にではなく、19歳の一人の少女としての『池江璃花子さん』に、私の感謝の気持ちを伝えたいと思ったからです。


池江選手には、周りから沢山の声援や期待がありますよね。

でも私は、19歳の少女としてのあなたを大切にして欲しいなと思っています。

そして、少女の貴女を応援しています。


最後に一つ提案があります。

貴女のご両親や、お兄さん、お姉さんに、貴女が生まれる前のことを教えて貰うと、きっと沢山の気づきや喜びがあると思いますよ。

ご両親の子ども時代に遡って、お二人が出会う前の実らなかった恋愛話しなんかも面白いと思いますよ。

ご夫婦間で知らないことも、きっと貴女にだけは内緒で教えてくれるかも知れません。


貴女が生まれて来る前のご家族一人一人のことを知ること。

色々な発見があり、楽しいと思いますよ。


私は、ブログに自分の過去を小説風に書く様になりました。

実は、小説風に書くことに気づいたきっかけにも、貴女への応援クリックが絡んでいるのです。

それを書きながら、私は今まで気づけなかった自分に気づき、毎日がとても楽しいのです。


みんな自分のことを知っている様で、知らないのが人間なのかも知れないと思ったりしています。

『今の楽しみ方』の参考になってくれると嬉しいです。


是非、今を楽しんで下さいね。


一日一日を毎日楽しんでいった結果、きっと貴女には素晴らしい未来が待っていると、私はそう信じています。


これからも毎日応援クリックをさせて頂きますね。

ありがとうございました。


『応援メッセージ』 (了)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (9)

(9)鶏が先か卵が先か

2018年年末から年初にかけて、俺は自分の『人生について』深く考えた。

そして、明確にした。


『人生』とは

『人生のゴール』とは

『人生の目的』とは

『人生の理念』とは


そして、それらに基づいた『行動指針』を策定した。

行動指針は、『人格形成』、『仕事』、『家族と家庭』、『趣味』、『健康』に分けて考えた。


俺にとって最も重要なのが『人格形成』


俺は、これまでの自分の人生を通して、人間としての『土台づくり』をしっかりしないと、どんなにビジネス面で成功出来たとしても、それは砂上の楼閣となり、真の幸福は得られないことを身を持って痛感した。


そのため、『人格形成』が人間として最も大切なことだと、今では思っている。

そして、それは一朝一夕には成し得ないことも。


その『人格形成』において、現在の俺の目標を一言で表現した時、『大きな樹のような人間になる』となった。


それは俺流の、『強くて優しい大きな心』の持ち主になることを意味した。

そして、そう成るために何をどうするのかを各項目で明確にした。


俺は、自分に一番欠けている『優しさの表現方法』を、まずは身に付けなければいけないと考えた。


それを年賀状で、研修のインストラクター仲間であるSちゃんと、Kちゃんに教えてくれるようお願いした。

年賀状を出せなかった遥ちゃんは、無許可でその二人に加えた。


この3人は、俺にとっては、『優しい人間になる』『優しさを表現できる人間になる』ためのコーチだった。


ただ、コーチとは言え、実際にやることはLINEでのやり取りだけなのだが・・・。


普段は一人で仕事をし、家族以外との交流が少ししかない俺にとっては、それだけで十分だった。

そして俺は、『人生の目的』を毎日自分に言い聞かせた。


次第に自分の中での気づきが多くなっていった。

些細なことで、やたら幸せを感じるようにもなっていった。


俺の中で日々変化が起こり、息子が大学に合格した後、その変化に加速感が加わった。


しかし、俺の人生の目的の中の『家族と家庭』の中に入れた一文。

俺にとっては最大級の難関。

ビジネスの成功より遥に難しいと思う。


◆私は、30代の健康で明るく、スリムで美しく、優しくて思いやりに満ち溢れた、可愛い性格の素敵な女性と出会い、相思相愛となり、人生最後の本当の結婚をします。

これは、5年位前からずっと思い続けて来てはいたのであった。

しかし、こうして文字にして具体的に表したのは、この時が初めてだった。


これを実現させるためには、まず残りの借金を綺麗にしないといけない。

年金も貰えない俺が、万一早くに死んでも大丈夫なように、奥さんには年1,000万位の不労所得を遺せるようにならないといけない。


ずっとそう考えていた。


年1,000万の不労所得。

年利5%で考えると2億。

その分の事業用不動産を持つ必要がある。

その為には、取りあえず月収500万位にならないといけない。


そう考えた。


過去の収入から考えると決して不可能なことではなかった。

しかし、若くバイタリティの塊みたいだった昔の俺と今の俺は違う。


2~30代の俺は常に全開、常にレッドゾーンだった。

寝食を忘れて働けた。


今は、レッドゾーンに持っていくとぶっ壊れてしまう・・・。

俺がそうなるまでの時間と自分の老いのスピードを考えると焦った。

更には、過去の実績は未来の保証にはならない。

いつも研修生に言っていることだった。


必要なのは、『根拠のない自信』。


しかし、物凄い矛盾・・・。


「恋をしたい!」

「結婚もしたい!」

「子どもも欲しい!」

「新たに幸せな家庭を築きたい!!」


凄くそう思っているのに・・・。


「月収500万になるまでは、取りあえず我慢!」


心の中は、『鶏が先か卵が先か』の状態なのであった。

ただ、これまでの経験で、俺の中で一つだけ確信となっていることがあった。


「人格を向上させ、人間力を高めていけば、金は必ず後からついて来る!」


20代から30代前半の上り調子の頃の俺はそうだったのだ。

俺は、独立後は事務所に神棚を祀り、毎日神棚に手を合わせていた。

そして願っていた。


「私は、私が正しいと思うことを行います。私が間違っていない時は力を貸して下さい」

「しかし、もし大きな目で見て、私の行いが間違っている時は、上手く行かない様にして、私を正して下さい」


俺は、常に自分の中の『善』と『正義』を中心に物事の判断と決断を行って来た。


しかし、独立し30後半になり、より高みを目指した時、俺はそれを忘れ、足元をすくわれたのだった。


その後は、長く辛い時間ではあったが、俺を正すために必要な時間だったのだと、今では思っている。


そして、既に55を迎えようとしている俺にとっては、もう二度と同じ過ちは繰り返せないとの思いなのであった。


(つづく)

2019年10月 5日 (土)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (8)

(8)天命

2013年9月、俺はバツ2になった。

最愛の息子と別れ、後悔と自責の念に囚われ、うつ状態となった。


丁度その1年後、偶然にも以前勤めたことのあったT学校から独立したM社長の会社の研修に参加し、立ち直るきっかけを貰った。

そして、思った。


「若くて綺麗な30代の子と本当の恋愛をして、人生最後の結婚をしたい!」

「そして、もう一度子育てもしたい!」

「出来るものなら、女の子と男の子が欲しい!」


そう思っていた。

しかし、内心では別のことも考えていた。


「9割方整理がついたとは言え、未だ借金が2千万近く残っている・・・」

「年金も払っていないから貰えない・・・」

「そんな俺の所へ誰が来てくれるんだ?!」


そう思っていた。


現実は、「とほほ・・・」なのであった。


研修後も色々と紆余曲折はあった。


しかし、2016年の年末から、一度別れたはずの息子との同居が再開した。

息子は高一になっていた。

そして、俺は徐々に精神的安定を取り戻していった。


2018年12月上旬に、近くのイオンで出会った一人の女の子の笑顔をきっかけに、気づきの連鎖が始まった。


そして、2018年の年末、俺は自分の天命みたいなものに気づけたのであった。

それは、俺の残りの人生の目的であり、生き方であった。

そして、40歳頃から続いて来ていた、失敗ばかりの人生の意味を知った。


「なぜ俺は、これほどまでに普通の人がしないような経験体験ばかりしてきたのだろう?」


そう考えた。

イオンで気づくきっかけを与えてくれた女の子に出会う前の俺は、口では誰に対してもポジティブなことを言ってはいても、実際のところ、自分の残りの人生に対しては、かなり悲観的だった。


16から社会に出て、40年近く頑張って来て、このありさまなのである。

そして俺は、長生きをしたくなかった。


俺の30代を支えてくれていた大好きな人たちは、みんな5~60代で亡くなっていった。

だから俺も、どんなに長くても70まででいいと思っていた。


「これまでの40年で俺は何も成していないし、残せてもいない」

「残せてないどころか、マイナスだ」

「残り10年か15年で何が出来るって言うんだ?!」

「俺みたいな奴に、大したことが出来る訳がない」


そう思っていた。


ところが、自分の天命を知り、これまでの自分の人生の意味に気づいた時、俺の意識は180度変わった。


そして、90過ぎまで大病せずに健康のまま現役を続け、死ぬ時はコロッと逝くと決めた。

俺は思い出したのだった。


以前、世界の女性経営者BEST50に入っているという、台湾人女性からの紹介の紹介で会わされた、ある占い師のような人から言われたことを。


「君の本当の成功は60歳からだよ」

「君は●●●●クスの初代会長と同じような星を持っている」

「あの人の本当の成功は、60歳からだったんだよ」


そう言われたことを。

そして、その時の俺はこう言った。


「もう少し早くならないですか?」


そして先生から笑いながら言われた。


「ならない」


それから10年近くが経ち、今年55。

そして俺は、これまでの人生の意味を見つけた。


「俺のこれまでの人生は、これからの人生のための準備だったんだ」

「これからが、俺の人生の本番なんだ!」


そう思った。


「20歳から考えると今年で35年」

「ココを折り返し点と考えると、まだ35年ある!」

「35年なら90歳」

「90まで現役でやれば良いだけだ!」


俺は●通信会長のS氏と●天会長のM氏と同じ年齢なのだ。

特に●通信会長のS氏とは、多少なりとも因縁がある。


「彼らがこれまでの35年でやってきたことを、俺はこれからの35年でやれば良いいだけだ!」


「まだまだ、何か出来るかも知れない!」


俺は、心底そう思えたのだった。


(つづく)

2019年10月 4日 (金)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (7)

(7)チャンスはピンチの顔をしてやって来る!

8月22日、俺は翌日がSちゃんのバースデーなのをスマホの通知で知り、日頃の感謝の気持ちを込めてバースデーカードを作った。


そして、翌朝は6時前に起床し、トイレに入って、バースデイカードをSちゃんにLINEで送った。


その直後、俺は閃いた。


「そうだ!」

「小説にすれば良いんだ!!」

「そうだよ!」

「そうそう!!」


「小説って言うと固くなるから、小説風の単なる読み物で良いじゃない!」

「うん、そうしよう!」

「そうだ、BLOGの方も経験体験部分は、小説風にすれば良いんだぁ!!」


そうなのである。


俺は、あることをきっかけに今年の7月1日からBLOGを書き始めたのであった。

タイトルは、『俺の道』。

俺の人生の哲学書として長年愛読してきたマンガ、『俺の空』から頂いたのだ。


内容は、自分の経験体験を通しての『気づき』を中心に書いている。


俺の過去の経験体験からの気づきが、偶然にも俺のブログと出会った見ず知らずの誰かの役に立ったら良いなぁ・・・。


将来息子が、『俺が歩んで来た道』の一部を知るきっかけになって、息子が将来歩んで行く道の一助になれば良いなぁ・・・。


そんな想いで始めたものだ。


まだ、親友のT以外、俺のBLOGの存在は誰にも明かしていない。


だから、読者もいない。

でも、それで良いと思っている。

今は、自分の心の整理に役立っている。

会社名や個人名は一切出さずに研修のことも時々書いている。

だから、研修関係にはあまり知られたくない。


でも、彼女には、遥ちゃんには読んで貰いたいと思ってしまっているのだ。

何故か恥ずかしくて、誰にも言えないことも、彼女には聞いて欲しいと思ってしまう、俺がいるのだ。


『俺』という人間の真実に近いものを、知って貰いたいと思っているのかも知れない。

だから、長髪にし始めた動機も彼女には言えたのかも知れない。


不思議だ・・・。

50年以上生きて来て、こんな風に思えるようになった異性は2人目だ。

以前は、俺の母より年上の人だった・・・。

そして今度は、親子ほども歳の差がある子だ・・・。


BLOGの記事は1日おきに更新している。

そして、8月のお盆前に9月1日分までのものを全て書き終えていた。


しかし、『自由』について書き始めたら、迷走が始まった。

自分の若い頃の経験体験を書き出したら、あまりにも色々なことが有り過ぎてまとまらなくなったのだ。


彼女に対する手紙と同じ状況に陥っていた。

だから、小説風に書くということは、一気に両方の問題解決になるのだった。


『閃き』とは、『感性』の成す技。


『感性』とは、『潜在意識』。


『潜在意識』とは、『魂』。


今の俺は、そう考えている。


『閃き』とは、ある意味、『己の魂の叫び』だと、俺は思っている。


だから、信じて従う。

俺は、そう決めているのであった。


そして、俺はある言葉を思い出したのだった。


『チャンスはピンチの顔をしてやって来る!』

(つづく)

2019年10月 3日 (木)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (6)

(6)溢れる想い

『遥さん』宛てに書き出した手紙は、数日後、俺はそれがとんでもないことの始まりになってしまったことを思い知った。


手紙だったら、普通は2~3枚、多くても5~6枚がいいとこだろう。

しかし、気づいたら既に20枚近くになっていたのである。


「しまったぁ・・・」

「これじゃあ折れないし、普通の封筒にも入らないじゃぁぁぁん・・・」


俺は考えた。

これを受け取った時、彼女はきっとこう聞いて来るだろう。


「はれさん、これ何ですか?」


「手紙・・・」

「いや、日記・・・」

「でもないし・・・」

「ラブレター・・・、ともちょっと違うし・・・」


俺は答えに窮した。

俺自身が思った。


「これは一体何なんだぁぁぁ?!」


答えは直ぐには見つからなかった。

そして、俺はこう考えた。


「まぁ良いや・・・」

「ミュージカルの日まで、取りあえず書きたいことを書いてみよう」

「ミュージカルまでには、まだ大分時間があるんだからさ・・・」

「それまでに考えれば良いや・・・」


そして、次の瞬間、別の何かが頭をよぎった。


「ん・・・?」

「あれっ・・・?」


「そうだよー、まだ遥ちゃんは100%行けると決まった訳じゃなかったんだぁぁぁ!」

「仕事が入って行けなくなるかも知れなかったんだぁぁぁぁぁ!」


「ガーーーーーーーン!!」

「どーすんだよぉぉぉ?!」

俺はしばらく放心状態になった。

しかし、直ぐに閃いた。


「そうだよなぁ・・・」

「これだけ俺をハラハラ、ドキドキ、ワクワクさせてくれてさ、それだけで感謝じゃない!」


「そうだよぉ!」

「俺みたいなおっさんとさ、ホ~ント仲良くしてくれてさぁ」

「ホ~ント、裏表がなくて優しい子だよなぁ、遥ちゃんはさぁ~」


「遥ちゃんがこの世に生まれて来てくれて、こうして俺と出会ってくれたこと自体に感謝だよなぁ~!」


「そうだよー!」

「もし行けなくなっても、ドキドキワクワクさせてくれたことに感謝してさ~」

「この手紙を渡せなかったら、また次の機会にすれば良いんだよなぁ~!」


「もし、最悪渡せなかったら、名前を伏せてBLOGに出しても良いしなぁ~」

「そうだよぉ~」

「そうすれば良いんだ!」


こうして俺の心は決まったのであった。


しかしまだ、この手紙の様なものが何なのかは、俺自身が謎のままなのであった。


(つづく)

2019年10月 2日 (水)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (5)

(5)感性

俺は本が大好きなのだ。


以前、何かの心理テストで、「あなたが無人島へ一人旅をし、何か一つだけ持って行けるとしたら、次の内何を持って行きますか?」という問いに対し、俺は迷わず『本』と答えたほどだ。


俺は本を読む時、ストーリーはさることながら、その登場人物の心理とか、著者が何を伝えようとしているのかといった、文字にはなっていない部分を読みとるのが好きなのだ。

いわゆる、『行間を読むこと』が好きなのである。


若い頃は、週刊マンガだけでも週に10冊位は読んでいた。


そして、吹き出しの中のセリフだけではなく、絵の中に書かれている擬音や濁音まで全て隅々まで読んでいた。

その上で登場人物の心理を読もうとしていたので、読むのはかなり遅い。


そのため感情移入も強くなり、本でもマンガでも、感動すると直ぐに涙が溢れて来てしまうのだ。

それだけ、人の気持ちの変化に敏感で、必要以上に深く考え過ぎてしまう所もあるのだ。


メールとかLINEとかの文字情報の中でも、相手の気持ちを敏感に感じ取ってしまうのだ。


相手が俺を好いているのか、嫌っているのか、面倒くさがっているのか・・・。

本音なのか、建前なのか・・・。


相手には悪意がなくても、俺は感じ取ってしまうのだ。

だから、そういうものを少しでも感じてしまうと、俺はそれ以上は入っていけず、逆に距離を取ってしまう性質なのだ。


彼女の文面からは、建前を感じなかった。

屈託が無かった。


だから、いつもは『遥ちゃん』と呼んでいるのに、『コーチ』と呼んで生徒目線になって、断られることから逃げた自分が恥ずかしくなった・・・。


自分が傷つくのを怖れたのだ。

直球ではなく、変化球を投げてしまったのだ・・・。


それなのに、彼女は直球で返してくれたのだ・・・。

彼女に申し訳ない気持ちで一杯になった・・・。

情けなくなった・・・。


そうしたら閃いた。

このお詫びの気持ちと、日頃の感謝の気持ちを、ミュージカルの時に手紙にして渡そうと。


そして、変化球を投げてしまった後悔から、今度は真っ直ぐに伝えようと思った。


俺は、いつもの『遥ちゃん』とか『コーチ』ではなく、『遥さん』宛てに書き出したのだった。


俺が感じた想いを正直に伝えて謝ろうと・・・。


(つづく)

2019年10月 1日 (火)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (4)

(4)天国から地獄

8月12日、俺は朝からルンルンだった。

F夫婦に会えるのもさることながら、あれからHちゃんがどれだけ成長したのかを見るのが楽しみでしょうがなかった。


きっと孫が出来ておじいちゃんになると、こういう気分になるかも知れないと思った。


Hちゃんに会う前、駅まで迎えに来てくれたFから、Hちゃんが人見知りでおじさん嫌いだと聞かされた。

どうやら、少し前にWさんに会った時は大泣きで全然懐かなかったらしい。


俺は言った。


「大丈夫!」

「俺は小さい子と動物からは嫌われたことが無いから」


案の定、俺とMにHちゃんは直ぐに懐いた。

Hちゃんは可愛く成長していた。


そして、BBQはBBQで楽しんだ。


酒が入ったせいか、俺は『鏡の法則』のチケットのことはすっかり忘れていた。

隙を見つけては遥ちゃんにLINEをし、遥ちゃんとも楽しんだ。


そして13日になった。

未解決だったチケットの問題がまたしても俺の目の前に現れた。


またしても俺は羊になっていた・・・。


俺は、悩みに悩んだ末、『コーチ』に連絡すれば良いと閃いた。

そして、LINEで知らせた。

すると、いつもは直ぐに返信が来ないのに、その時は直ぐに返信が来た。


俺は思った。


「まじかよぉぉぉ・・・」

「いきなりのお断りかぁぁぁ・・・」


この時の俺は、超ネガティブだった。

俺は直ぐにLINEを見られなかった。

怖かったのだ・・・。


逃げ出したかった・・・。

10分か、15分か・・・。

考えあぐねた末、俺は意を決して返信を見た。


するとそこには、思いがけない回答があった。


9月21日か28日の土曜日で、既に残りが少なくなっているから、早目に取った方が良いのではないかと書かれていた。


俺の頭の中には、蝶ちょが舞った。

俺は天にも昇るような気持ちになった。


9日の夕方から悩み続けていた自分が可笑しくなった。

返信を見て本当に良かったと思った。


しかしその直後、彼女の文面を見て、俺は自分が情けなくなった。

彼女に対し、申し訳無い気持ちで一杯になった。


彼女の文面からは、俺が自己卑下していたようなことは一切感じられなかった。

屈託のない返事だった。


そう感じた俺は、逆に自分のズルさが情けなくなったのだった・・・。


まさに、気分は天国から地獄だったのだ・・・。


(つづく)

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