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2019年10月22日 (火)

俺の道 ~ 恋愛編 ❤ 第一部 ~ (25)

(25)思い過ごしも恋のうち

その翌日の夕方であった。

俺は、台所で晩飯の支度をしていた。

すると、ふと突然浮かんで来たのであった。


「たしか・・・、サザンの曲だったか、歌詞だったかで、『思い過ごしも恋のうち』ってフレーズがあったよなぁ・・・」


俺は、晩飯の支度を一旦中断し、スマホで検索してみた。

すると、サザンの4曲目のシングルで、そのタイトルの曲があったのであった。

そして、YouTubeで、その曲を久し振りに聞いたのだった。


「そっかぁ・・・」

「思い過ごしも恋だったんだぁ・・・」

「じゃぁ、俺のも恋なんだなぁ・・・」


俺は思ったのだった。

しかし、なんか違う感じがしたのだった。

そして、俺は良く考えてみた。

すると閃いたのだった。


「分かったぁ~!」

「俺の恋は、思い過ごしだったんだぁ!!」


「そっかぁ~・・・」

「なんだぁ~・・・」

「単なる俺の思い過ごしだったのかぁ・・・」


「ん・・・?」

「ちょっと待てよ・・・?」

「ん・・・?」

「それでいいのか・・・?」


俺は何か腑に落ちないものを感じたのだった。


するとそこへ、完全否定の俺が久々に現れて来たのだった。


「ばーか!」

「やっと気づいたかぁ~!」

「そうだよ!」

「お前の恋は、単なる思い過ごしなの!!」

「思い過ごしっていうのはな、簡単に言うと勘違いなの!!」


「お前は、彼女が自分のことを好きなんじゃないかと単なる勘違いをしただけなの!」

「そういうのを錯覚って言うんだよ!」


「わかった?!」

「お前みたいな、何もないおっさんが、彼女みたいな良い子に好かれているなんて思うことが間違いなの!!」


「彼女の好意は、単に研修の先輩とか、上司みたいなものとしての好意なの!」

「それ以上ってことは、ありえないの!」


「変な期待はするなよ!」

「いい?!」

「わかった!?」


羊の俺は、思わず返事をしそうになったのであった。


するとそこへ、期待する俺が、ミル・マスカラスがごとく、トップロープから完全否定する俺にドロップキックを浴びせたのであった!

そして、言ったのだ。


「お前、何言ってんだぁぁぁ!!」

「ダメだ!そんな言葉に誤魔化されるな!!」


「思い過ごしも恋のうちって言うのはなぁ、思い過ごしや勘違いも『恋』ですよ~って言ってんだよ!」


「始まりは、思い過ごしや勘違いでも、相手のことを好きになったら、それが『恋』なんですよ~ってことを言ってんの!」


「だから、お前のは『恋』なんだよ!」


「惑わされてちゃダメだよぉ~」

「完全否定の奴の声なんか聞いちゃダメなの!」


「あいつはなぁ、お前が迷ったり、疑ったり、悩んだりすると出て来るから気をつけなきゃダメだよ~」

「お前、剣道やってんだろ?!」

「剣の四病と言われる、『恐懼疑惑』と同じなんだよ~」


「その気持ちが出ると、完全否定の奴が喜んで出て来るんだよ~」

「それが『心』の隙になるの!」

「わかる?!」


「お前は、本当に好きな子には羊になっちゃうんだから、全くしょうがねえよなぁ・・・」

「まるで、借りてきた猫だもんな!」


羊の俺は思ったのだった。


「いや、俺は猫じゃなくて、羊なんですけど・・・」


いつしか羊の俺は、完全否定の俺からは責められ、期待する俺からは怒られていたのであった。


そして、羊の俺は思ったのであった。


「で・・・」

「結局俺は、どうすれば良いの・・・?」


すると、期待する俺は語り出したのであった。


「お前は、彼女が好きになってくれるから好きになるのか?」

「彼女が好きになってくれなかったら、好きにならないのか?」


「違うだろ?!」


「遥ちゃんと出会ってから、これまでの色々なことの中で、最初は自分の娘みたいな気持ちだったかも知れないけれど、次第に彼女を一人の女性として見始めて、その中で彼女の優しさとか純真さとかに触れている内に魅かれていって、好きになっていったんだろ?!」


「それは、お前が自分の意思で好きになっていったってことだろ?!」

「その時は、彼女がお前のことを好きになってくれるかどうかなんて考えないで、単純に好きで、何でもしてあげたくなったんだろ?!」


「確かに何度か、あれ?って、思ったことがあったかも知れないけれど、それが『思い過ごし』とか『錯覚』であっても、それ自体は『きっかけ』でしかないんだよ」

「わかる?!」


「要はね、きっかけっていうのは、その前に前提があるのよ」

「お前の場合は、彼女のことを想う気持ちね」

「簡単に言うと『好き』という感情があるの」


「お前は、その感情を、年齢とか、世間体とか、プライドとか、そういうもので抑えていたから、自分の正直な気持ちに気づけなかったんだよ」


「その正直な自分の気持ちに気づくきっかけになったのが、『あれ?』って、思う出来事だったのよ」

「そして、その出来事のことを『思い過ごし』とか、『錯覚』って言うの」


「だから、お前の場合は、そのきっかけが、『彼女のやきもち』と思えることや、『アイノカタチ』のシンクロだった訳なのよ」


「仮に、もしその出来事が無かったとしても、既にお前の中には彼女を好きな気持ちがある訳だから、別の出来事でいつか気づく時が来るんだよ」

「わかる?!」


「はい・・・」


「大切なのは、きっかけとなった出来事ではなくて、お前の彼女を想う気持ちなんだよ」

「彼女のことを『好き』だと思う気持ちなの!」

「そして、本当に大切なのはここからだ」


羊の俺は言ったのだった。


「ちょっと待って下さい・・・」

「今日の所は、この辺で勘弁してくれませんか?!」

「もう、何か頭が一杯で疲れました・・・」


「あっ、そう・・・」

「わかった・・・」

「じゃあ、最後に一つだけな」


「思い過ごしも、錯覚も、好きならそれは、全て『恋』だ!」

「わかったな!」


羊の俺は、それが『恋』なのかどうなのかは、もうどっちでも良かったのであった。


(つづく)

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