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2019年11月 3日 (日)

俺の道 ~中高生編~ (1)

(1)俺の武器

1977年4月、俺は地元のH中学に入学した。

H中学は、女子バスケットボール部が全国レベルで強く、それに続きサッカー部が強い学校だった。

また、『ワル』でも結構有名な学校だった。


しかし、入学してみると、特別不良っぽい先輩はいなかった。

ただ、俺たち新入生と3年生とは、身体のでかさがかなり違うと思った。

でかい人は大人のようだった。


俺が入学して最初に配属されたクラスは、1年F組だった。

1学年のクラスは、A~Fの6クラスだった。

1クラスは約40人だった。


担任は、技術科担当のH間先生で、ブッチャーの様な太ったガマガエルのような先生だった。

結果的には、俺は1年の1学期から3年の3学期まで、技術はずっと5だった。

1年の時の同じクラスに誰がいたのかは、全く憶えていない。


入学して最初にやらされたのは、まず部活を何にするかだった。

小学生の時にやっていた剣道は、全くやる気がなかった。

俺はドッチボールのやり過ぎで肘を痛め、遠投が出来なくなっていたから野球は論外だった。

他は、特にやったことがないものばかりだった。


俺は、小学校から一番仲の良かったK川と相談した。

そして、何故か二人で『科学部』に入った。


今、振り返ってみても、なんでこの時科学部を選んだのかは不明だ。

そして、俺とK川は、一ヶ月も経たずに科学部を辞めた。


そして、これも理由は憶えていないが、俺とK川はサッカー部に入った。

多分、やっている先輩たちがカッコ良く見えたのかも知れない。


俺の時代は、まだサッカーはマイナーなスポーツだった。

小学生の時は、ほとんど野球かドッチボールだったから、サッカー自体はやったこともなかった。


その為か、俺が卒業したH小からサッカー部に入った奴は、知っている奴では俺とK川しかいなかった。

逆に、俺が小3までいたHZ小卒の奴らが多かった。

HZ小はサッカーチームがあったようだった。


サッカー部に入ってまずやらされたのは、走ることだった。

1年は、練習前に学校の周りに設定された、1周1.5Kmのマラソンコースを10周してからでないと練習に参加出来なかった。


これで退部していった奴も結構多かった。

俺とK川は、元々のスタートが他の奴らより約1ヶ月遅かった。

しかし、負けん気だけは強かった俺と、ずっと少年野球をやっていたK川は何とか生き残った。

練習前に10周走り切れるようになるのには、一ヶ月以上かかったと思う。


そして、練習に入っても、やるのはゴール裏での球拾いと声出しで、ボールを蹴る練習は全くやらせて貰えなかった。

ボールの蹴り方を教えて貰えたのは、3年生が引退した夏休みに入ってからだった。

サッカー初心者の俺と、小学校からサッカーをやって来ていた奴等とは、最初は圧倒的な差があった。

サッカーのルールも用語も、俺は全く何も知らなかった。

インサイドキック、アウトサイドキックも知らなかった。

オフサイドなんて聞いたこともなかった。

俺は、リフティングなんて言葉も知らなかったし、全然出来もしなかった。


しかし、HZ小で既にサッカーをやっていた奴等は、みんなリフティングも平気で100回以上やっていた。

HZ小卒の奴らの中で、K田はずば抜けて上手かった。

リフティングを何百回もやって見せたのだった。

全然落とさないその技術に俺は驚かされたのだった。


俺はめちゃくちゃ悔しくて、一人で隠れて練習した。

家に帰ってからは、小学校の卒業式後の春休みからずっとやっていた、家の前の空き地でのタイヤ蹴りを続けていた。

俺はいつ頃からなのかは覚えていないが、悔しくて努力する時は、必ず一人で隠れてやっていた。

勉強もスポーツも。

頑張っている風を装うのが嫌いだった。

何をやっても全く褒めてくれなかった親父に対しては、結果が全てだと思っていたのだ。


ボールの蹴り方のコツが分かって来ると、キック力だけは他の奴らよりあった。

やり始めた動機は、ケンカで負けないためだったが、家の前の空き地の松の木に縛ったタイヤを蹴り続けていたことが、結果的にはサッカーに役立ったのだった。


この頃一番嬉しかったのは、1年の夏休みにヘディングの練習をした時のことだった。

1年生は全員ゴールエリアの外に一列に並び、ゴールポストの横に立った顧問のS田先生から、一人ずつゴールに向って走って来るように言われたのだった。

一人がゴールに向ってダッシュすると、ゴールポストの横に立ったS田先生は、走って来る奴の顔面に向って思いっきりボールを投げたのだ。


最初の奴は、思わず避けて怒鳴られたのだった。

そこで初めてヘディングでゴールに打込むように教えられたのだ。

みんな最初はビビって上手く出来なかった。


そんな中、1年の中でもずば抜けて上手かったK田は難なくやって見せた。

そして、俺の番になった。


俺は全然怖くなかった。

剣道に比べたら、全然遅いと思った。

目さえつぶらなければ良いのだと思った。

俺は、初めてのヘディング練習で上手く出来た。


そして、S田先生から、「お前、怖くないのか?」と聞かれた。

俺は、「怖くないです!」と答えた。

俺はS田先生から、「大したもんだ!」と褒められた。


俺はめちゃくちゃ嬉しかった。

俺は、普段褒められ慣れてないせいか、少し褒められただけで、凄く嬉しくなってしまうのだ。


そして、丁度その時、俺より3学年上で、当時中学の全国大会で3位になり、サッカーで帝京に行ったOBの先輩が遊びに来ていて、教えられたのだった。


帝京のヘディング練習は、地面に腹ばいになって顔を上げ、1m先にボールを置いて、それを先輩にお願いして思いっ切り蹴って貰うんだと。

そして、その練習で多くの人が辞めて行くと言っていたのだ。


俺は、その話しを聞いて身震いした。

そして、思ったのだった。


「高校生ってすげーなー!」


それからの俺は、ヘディング練習をめちゃくちゃやった。

そして、ヘディングは俺の一つの武器になったのだった。


更には、当時はそんなことは露ほども考えていなかったのだが、後に俺の喧嘩の際の『チョーパン』という、最強の武器になるのであった。


(つづく)

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