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2019年11月17日 (日)

俺の道 ~中高生編~ (15)

(15)幻の有馬記念

停学が解けた俺たちには面白い出来事が待っていたのだった。

それは、年末の有馬記念だった。

チーフコックのA見さんは、大の競馬ファンだったのだ。

A見さんの部屋は、競馬馬のポスターが一杯貼られた部屋だった。

俺は良く飲みながら、A見さんから訳の分からない馬の話しを熱く語られ聞かされていたのだ。


1980年12月、バイト先の大人たちに代わって、俺が後楽園の場外馬券売場に馬券を買いに行くことになったのだ。

人生で初の体験だった。

俺はA見さんからめちゃくちゃ勧められ、仕方なしに千円だけ付き合うことにしたのだった。


俺がみなんから預かった金額は約20万だった。

俺はM沢を誘い、電車で後楽園まで行ったのだ。


初めての馬券購入は結構緊張した。

周りは大人ばかりだった。

俺はA見さんから預けられた数字が書かれた紙を片手に、教えられた通りに窓口で約20万円分の馬券を購入したのだった。


すると、後ろから覗いていたグレーの作業服姿のおっちゃんが驚きの声を上げたのだ。


「すっげーなー兄ちゃん!」

「その若さで度胸あんな~!」


俺は、何か急に大人になったような気がした。

俺とM沢は、笑いながら場外馬券売場を後にし、急いで帰路についたのだった。


この時、俺たちはなるべくレースが始まる前までに帰って来るようにと、A見さんたちに言われていたのだった。

しかし、西武新宿線の『柳沢駅』に着き、バイク置き場に向おうと電気屋の前を通り過ぎようとした時だった。

電気屋のTVは、丁度有馬記念がスタートした場面を映していたのだ。

俺とM沢は間に合わなかったのだ。


俺たちは、電気屋のTVに釘付けになった。

そして、なんと!!


結果は、誰一人として当たらなかったのだった!!


俺とM沢は大爆笑した。

20万が一瞬にして紙くずになったのだった。

そして、俺たちは言いあった。


「俺たち何しに行ったんだよ~」

「20万がゼロかよ~」

「買った振りして使っちゃえば良かったな~!!」


この時の俺たちは、まだノミ行為というものを知らなかったのだ。

そして俺は、この後二度と馬券は自分では買わないようにしたのだった。


俺は、今でもそうだが、競馬やパチンコには一切興味がないのだ。

もしかしたら、初めての経験が俺にとっての戒めになったのかも知れない。

この時の結果が、もし逆だったとしたら・・・。

俺の人生、また違ったものになっていたのかも知れないと思うのであった・・・。


(つづく)

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