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2019年11月12日 (火)

俺の道 ~中高生編~ (10)

(10)正夢による呪縛

夏休みが終わり2学期初日の9月1日のことだった。

俺の身に、突然親の力を見せつけられるような出来事が起こったのだ。


その日の朝、俺は学校に行こうと玄関に下りた。

すると、母親が俺を呼びとめ、一言言ったのだ。


「昨夜、お前が事故にあう夢を見たから気をつけなさい」


俺は空返事をして、チャリンコにまたがり、数m先の道路に出たのだった。

その瞬間だった。

俺は車に跳ねられた。

家を出てから、ほんの数秒後のことだった。


その時の俺は、全ての動きがスローモーションのよう見えたのだ。

自転車に乗っていた俺の右真横から車が当たった。

足をすくわれる様な形になり、俺は車の屋根の上を横向きで転がった。

その時の俺は、シッカリと目を見開いていた。

そして、そのまま自分の足で着地したのだった。


俺は、一瞬驚きはしたのだが、それよりもスタントマンのように着地した自分にビックリしたのだった。

そして、自分で身体を確認すると、多少左肘を打った程度で何処にも痛みは無かった。


チャリンコも確認すると、多少ハンドルが曲り、カゴが潰れているだけだった。

俺は前輪を股に挟んでハンドルの曲りを直した。

カゴも引っ張って直した。

何も問題は無かった。


運転していた人が慌てて降りて来て心配したのだが、俺は笑って済ませたのだった。

飛び出した俺が悪いと思ったのだ。

そして俺は、運転していた人の免許証も何も確認せず、そのまま学校に向ったのだった。


車を運転していた人を責める気は全く無かった。

それよりも、内心では別のことを考えていたのだ。


「なんだよ、お袋が言っていたことが当たっちゃったなぁ・・・」


そして、帰宅してからその話をすると、俺は母親に怒られたのだ。


「あれだけ言ったのに何で気をつけないの!」


俺は、いつ頃からなのかは憶えていないが、無事だったことを喜ばず、こうして何かある度に激怒する母親のことが大嫌いになっていた。

そして親父は帰宅するなり言ったのだ。


「そんなことは全て神様が教えてくれているから分かっていたことだ」


今思えば、俺は千座行をやらされていた頃から、親父には全てを見通されていて、嘘や誤魔化しは出来ないものだと思い込んでいたのだった。


この頃の俺は、独りを好んではいても、人が嫌いな訳ではなかったのだ。

正義感や仲間に対する思いが人一倍強く、平等を好み、嘘や誤魔化しが大嫌いなだけだったのだ。


そして、それは知らない内に俺の価値観となり、それが正しいものだと思い込んだのだ。

大人になってもその考え方は変わらなかった。


しかし、俺の意識は、この頃から両親の押しつけを完全に拒絶し始めたのだった。

この時俺は、何としても学校を辞め、家を出ることを改めて決意したのだった。


(つづく)

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