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2019年11月14日 (木)

俺の道 ~中高生編~ (12)

(12)初めての補導

9月下旬、俺は念願のアルバイトを始めた。

初めてのバイト先は、既に倒産して無くなったが、昔あった長崎屋という百貨店系列の『I‐HOP』というファミレスでのキッチンのバイトだった。

カッコ良く言えば、コックだ。

キッチンで入ったのだが、最初は皿洗いだった。


皿洗いは、下げられてきた食器を一度熱湯に浸けてからそれを取り出し、大型の食器洗い機に入れて洗うのだ。

皿洗いは、熱湯に浸けた食器を取り出すのが大変だった。

ゴム手袋をして取り出すのだが、浸けているのが熱湯だから、それでもかなり熱いのだった。


当時の時給は550円だった。

そして、22時以降は2割増しになった。


バイトを始めると、このファミレスには同じ高校の3年生の先輩が一人いた。

名前をS司さんといった。

そして、チーフコックは社員で、元ヤンキーで19歳のA見さんだった。

この二人が俺を可愛がってくれ、徐々に俺は大人の世界(悪さ)を憶えていったのだった。


バイトを始めて直ぐ、俺はS司先輩にファミレスの駐車場で原チャリの乗り方を教わったのだった。

ある日、バイトに入るまでには時間的余裕があり、俺はA見さんの原チャリを借りて、S司先輩と二台で駐車場の中で追っかけっこをして遊んでいたのだ。

すると、S司先輩が公道に出て逃げた拍子に、俺もうっかり公道に出てしまったのだった。


ちょうどその時、運悪くスーパーカブに乗った警官が通りかかったのだ。

S司先輩から、「逃げろ!」と言われたのだが、俺は直ぐに意味を理解出来なかったのだ。

俺は警官に言われるまま素直に停まってしまったのだ。

そして、免許証の提示を求められたのだが、そんなもの持っている訳がなかったのだ。

いきなりの無免許だった。

俺は、敢え無く御用となった。


今考えても、なぜあの時逃げなかったのか不思議だ。

きっと、あの頃の俺には、まだ素直な俺が残っていたのかも知れないと思うのであった。


この時が俺の人生初めて補導だった。


この頃の俺は、まだ外見的には特に悪くはなっていなかった。

髪型もスポーツ刈りが少し伸びた感じだった。

服装は、制服だった。

K校の制服は、グレーのジャケットにグレーのズボンだった。

特に太いズボンをはいていた訳でもなく、俺の制服はノーマルだった。


俺はK平警察に連行された。

この時の俺は、警察で聞かれたことには素直に答えた。

そして、数時間後、親父が呼び出された。


俺は初めての補導だったことで、無免許のキップも切られず、厳重注意で済んだのだった。


捕まった時は、まだ明るかったのだが、警察署を出た時は、既に日が暮れていた。

俺は親父から怒られるのを覚悟した。


俺は親父の少し後ろを歩いていた。

すると親父は、振り返らずに前を向いたまま一言だけ言ったのだった。


「お前くらいの歳が一番狙われるんだから、気をつけろよ」


俺は答えた。


「うん、わかった・・・」


怒られると思っていた俺は、なんか拍子抜けした。

しかし、初めて親父に対し、男らしさみたいなものを感じたのだった。


俺は親父とは途中で別れ、バイト先に戻った。

バイト先に戻った俺をA見さんとS司先輩は心配してくれていた。

S司先輩は俺にひたすら謝ってくれたのだった。

S司先輩を恨む気持ちは、俺には全然無かった。

調子に乗って公道に出てしまった俺が悪かったのだ。

そしてこの日、俺は皿洗いのバイトに入ったのだった。


この無免許事件は、親父がどうやって警察と話を着けたのかは知らないが、学校に知られる事は無かったのであった。


しかし、今更ながら良く考えてみると、この時無免許のキップを切られなかったのは本当にラッキーだった。

もし切られて1年間免許が取れなくなっていたら、この後の俺の人生は全く別のものになっていたのかも知れないと思うのだ。

もしかしたら、そっちの方も何らかの形で親父が話をつけてくれたのかも知れないと思うのであった。


(つづく)

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