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2019年12月28日 (土)

俺の道 ~アラカン編~ 第60回AF研修の巻 (7)

(7)未熟さ

俺は今回の研修で、多くの気づきを得られた。

特に『心構え+モティベーション』試験で、先に書いた二人の他にも何人かの合格を出せたことで、穏かに話しながらも気づきを与えられる感覚が少し掴めた感じだったのだ。

しかし、その反面、全力で向って来ない一人の研修生に対し、強烈な俺を出してしまったのだった。


その研修生は、40代後半の外車のセールスマンだった。

俺はそれまで、まだ彼の試験受けを一度もしていなかったのだ。

彼は、『心構え+モティベーション』の試験で、最後まで残った人だった。


試験前に俺は、彼はあと一歩の所まで来ているから、出来たら合格まで引き上げて欲しいと頼まれたのだった。

そして、試験受けの直前にその研修生は、今回が2回目の研修参加であることを知らされたのだ。


その瞬間、俺に変なスイッチが入ってしまったのだった。

2回目と聞き、内心厳しくしないといけないと思ったのだ。


そして、いざ試験を受けてみると、まだ『心構え』さえも出来ていない状況だと思ったのだ。

俺は、その瞬間、「この人はこの二日間、一体何をやっていたんだ?!」という思いが込み上げて来たのだった。


そして、引き上げるどころか、もう一度突き落とさないといけないと思ってしまったのだ。

それからの俺は、以前の厳しさだけの俺に戻ってしまったのだった。


俺は途中でその過ちに気づいた。

しかし、『時、既に遅し』だった。


俺は、別の誰かがきっと彼を引き上げると、インストラクター仲間を信じて、逆にこの場は彼の壁に成り切ろうと決めた。

そして、心構えの合格点に満たない、厳しい点数を付けて、彼にもう一度研修生仲間のみんなにパワーを貰って、再度チャレンジするようにさせたのだった。


試験の後俺は、俺に引き上げ要請をして来たインストラクターに詫びた。

俺はこの3~4ヶ月、厳しさからはかなり遠ざかって来たつもりだったのだが、まだまだだったことに気づかされたのだった。

己の未熟さを感じたのだった。


その後彼は、研修生の仲間たちに励まされ、俺の後2回目の試験で無事合格となったのであった。

合格した彼を、俺が笑顔で向えると、彼は思いっきり抱きついて来たのだった。


そして、次の『感謝』の試験で、俺はその彼の試験を担当することになったのだった。

俺は内心、俺に引き上げ要請をしたインストラクターたちの思い遣りの采配だろうと感じたのだった。


『感謝』の試験受けでは、俺は彼の全てを認めて受け入れたのだった。

そして、合格と共に、彼に一つの言葉を贈った。


『我以外皆師』


これは、俺の来年の指針にすると決めていた言葉だった。

彼は、『我』という文字が自分の名前の一部に入っているから、絶対に忘れませんと喜んで受け取ってくれたのだった。


俺はそんな彼に対し、内心、『出来が悪い子ほど可愛い』という言葉を思い出したのだ。

そして俺も、彼と一緒だと思ったのだった。


(つづく)

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