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2020年1月17日 (金)

俺の道 ~自立編Ⅰ~ (20)

(20)怒りの矛先

釈放が決まったことで、俺は取りあえず、留置場での年越しを逃れたことに安堵したのだった。

しかし、帰りの護送車の中で冷静に考えていると、そもそもの原因を作ったのはY崎さんであることに俺は気づいたのだった。


そして、その当の本人は、留置場はたった一泊しかせずに出ているのだ。

Y崎さんにパクられてから一度も会わなかった理由がやっと分かったのだった。


そのY崎さんを、俺は必死に守ろうとしていたのだ。


俺は、自分のバカさ加減に呆れるしかなかった。

しかし、そのバカさが無くなったら、俺は俺でなくなるとも思ったのだった。


次第に俺の腸は煮えくりかえって来たのだった。


「Y崎さんが石さえ投げなければこんなことにはならなかったのに・・・」

「なんであいつだけ先に出てんだよ?!」

「先に出ているなら出ているで、言いに来てくれたって良いじゃねーか!」

「なんであいつは、それを教えに来なかったんだ?!」

「差し入れの一つくらい持って来てくれたって良いーじゃねぇかよ!」


俺の怒りの矛先は、完全にY崎さんに向いたのだった。


「あいつ、ぜってーぶっ殺してやる!!」


俺がこれまで寒さをひたすら耐えながら守ろうとして来たY崎さんは、今度は俺の標的になったのだった。

そして、小金井署に戻った俺は、その日の夕方釈放されたのだった。


(つづく)

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