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2020年1月15日 (水)

俺の道 ~自立編Ⅰ~ (18)

(18)人生3つ目の坂、まさか?!

12月20日を過ぎて、看守が言ったのだった。


「今年は、地検の最終日が24日だから、それまでに出られなかった奴は年越しだからな!」


それを聞いた俺は焦った。


「マジかよぉ~・・・」

「まさかの年越しかぁ?!」

「ここで年越し蕎麦を食うのかぁ?!」

「ここで紅白を見るのかなぁ?」


そう思った。


しかし、そうなったらそうなったでしょうがないと思った。

俺はパクられてから三日目に地検に行った後は、一度も行っていなかった。

その後、少年係の取り調べも無かった。

今思うと、独房に入れられた放置プレーみたいなものだった。


次にいつ地検に行くのかは分からなかった。

俺は、一緒にパクられたY崎さんのことが心配だった。

21日も、22日も俺は朝の地検送致者には入らなかった。


そして、23日も俺は呼ばれなかった。

残すは、明日のみだった。


俺がパクられてから丸2週間だった。

そして、24日になった。

世の中はクリスマス・イブだ。


そんなことは、俺には関係がなかった。

今日呼ばれなかったら年越しが確定だった。


俺はドキドキしながら待った。

そして、俺の名は呼ばれた。

しかし、Y崎さんの名前はなかった。


それまで俺は、一度もY崎さんに会っていなかった。

俺は、Y崎さんのことが心配だった。


当時の俺はまだ知らない言葉だったが、良く結婚式とかのスピーチで聞かされる、『人生にある3つの坂』。

上り坂、下り坂、そして3つ目の『まさか』。

俺は、その『まさか』を味わうことになったのであった。


(つづく)

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