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2020年1月31日 (金)

俺の道 ~自立編Ⅰ~ (24)

(24)やっちゃ場

みかんを積み終えた俺たちは、まず最初の金港市場に向って出発した。

潮留の貨物駅を出て直ぐに、首都高の潮留ICから高速に乗って横羽線を横浜に向って走ったのだ。

金港市場へ向う車中で、俺はY本さんから、『青果市場』のことを業界用語では、『やっちゃ場』と言うことを教えられたのだった。


金港市場は、東神奈川ICから下りて直ぐだった。

金港市場に着くと、市場の人が5~6人居た。


下ろし方は単純だった。

トラックの荷台に長い梯子のようなローラーの端をセットして、ローラーに乗せて軽く押せば、後は傾斜で流れて行く寸法だった。


金港市場のローラーは4~50m位はある長いものだった。

ローラーの先の受け手が多かったので、Y本さんは運転席でトラックの移動のみで、俺と弟さんの二人で交互にある程度の間隔を空けながら、ローラーにみかんの箱を乗せるだけだった。


金港市場での下ろしの作業は楽勝だった。

時間にしたら1時間掛からずに終わったのだ。

下ろし終わった俺たちは、また直ぐに潮留に向った。


金港市場での帰りの車中で、他の市場には下ろす時の受け手になる市場の作業員が普通は2~3人しかいないことを教えられたのだ。

少ない所だと1人しかいないところもあるとのことだった。

金港市場のように沢山いる所は他に無いと教えられたのだった。


潮留に戻った俺たちは、二回目の積み込み作業だった。

二回目は、正確には覚えて無いが、確か茨城か栃木だった。

二回目の時間になると、車の交通量も減って来るために遠場を選ぶことを俺は教えられた。


二回目は距離で稼ぐのだ。

片道2時間前後のところだった。

積み込みと下ろしの時間を合わせて約6時間。


三回目は再度近場の市場で、6時頃にその日の作業を終えて帰路についたのだった。

Y本さんちに帰ったのは、8時位になっていた。

そして、俺が帰宅したのは、9時近くになっていた。


帰宅した俺は、あることに気づいたのだった。

それは、風呂に入れないことだった。

この時間は銭湯がやっていないのだ。


俺はY本さんに電話し、風呂の相談をしたのだった。

そして、この日から俺は、作業を終えて戻ったら、Y本さんちでシャワーを借りることになったのであった。


初日の作業を終えて俺は、積み込みも荷下ろしもコツを覚えてしまえばなんとかなると思った。

しかし、この仕事のきつさはそれだけではなかった。

時間が長かったのだ。


15時に出発して翌朝の8時か9時までなのだ。

時間にしたら、17~18時間労働なのだった。


当時の俺は気づかなかったが、今こうして振り返ってみると、1日の労働時間が17~18時間で日給1万円では、時間給にしたら、めちゃくちゃ安くなっているのだった・・・。


構内作業だと行き帰りと休憩時間を入れて約10時間で8,000円。

それがやっちゃば仕事だと18時間で10,000円・・・。

しかし、当時は、そんなに稼がせて貰える機会自体が無かったのだから、やはり感謝なのだ。


初日の作業でクタクタになった俺は、酒だけ飲んで眠りについたのだった。


(つづく)

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