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2020年1月16日 (木)

俺の道 ~自立編Ⅰ~ (19)

(19)まさかのまさか

24日の朝、俺は何とか地検送致者に入った。

そして、以前と同じように護送車で地検に運ばれた。


俺は、何としても検事に俺の主張を認めさせるしか出る方法が無いと思っていたのだった。


俺の順番が来た。

検事は、以前と同じ奴だった。

そして、俺はいきなり言われたのだった。


「認める気になったか?」


俺は言った。


「やってもいねーこと、認める訳ねーだろ!」

「顔面にチョーパンを入れたことと、腹に蹴りを5~6発入れたことは認めるけど、それ以外は認めない!」


そして、俺は気になっていたことを聞いた。


「ところで、Y崎さんは、どうなりました?」


そして、検事は驚くべきことを言ったのだった。


「あぁ、あいつは罰金を払って、とっくに出てるよ」


「えーーーーーーーーーーーーーーーー!?」


俺は更に聞いた。


「いつですか?」


検事は、確認して俺に言った。


「12月12日だな」


俺たちがパクられた、翌々日だった。

俺が最初に地検に送致された前日だった。

俺は更に驚いた。


「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


「なんで?????」

「なんで、Y崎さんだけ先に出てるんですか?!」


検事は言ったのだった。


「あれ?言ってなかったっけ?」


「聞いてないですよー!」


「彼は、最初から全部認めたから、罰金払って出たんだよ」


俺は意味が分からなかった。


「罰金ってなんですか?」

「罰金払えば出られるんですか?」


検事は言った。


「そうだよ」

「彼は初犯で成人だから、罪を認めたら、後は罰金でいいんだよ」


「罰金ていくらですか?」


検事は確認して言ったのだった。


「彼は、20万だ」


「20万?」


「そうだよ」


「俺は?」


「君は未成年だから、罰金はない?」


「へ?」

「どういうことですか?」


「だから、認めれば罰金なしで出られるんだよ」


「えっ?!どういうことですか??」


俺は検事が言っている意味がさっぱり理解できなかったのだ。

検事は俺に説明したのだった。


まず、俺たちの罪は、『公務執行妨害』だった。

俺は、てっきり暴行傷害だと思っていたのだ。


そして、『公務執行妨害』については、誰が石を投げたとか、何発殴って何発蹴ったのかとかは関係ないことを説明されたのだった。

要は、警官に逆らって暴力行為を行ったこと自体が犯罪だったのだ。


俺は聞いたのだった。


「じゃあ、なんで俺は2週間も入れられてたんですか?」


検事は言った。


「認めないからだよ」


「認めたじゃないですか!」

「チョーパンを入れたことと、5~6発の蹴りを入れたことは!」


「そうだな」

「でも、警官側の調書を認めなかっただろ?」

「だから、私は言ったんだよ」

「素面の警官と、酒に酔っていた君のどちらの言い分を周りは信じるのかと」


「そんなんじゃ、わかんねーよ!」

「俺はてっきり、俺が下手なこと言ったら、Y崎さんが不利になるんじゃないかと思って・・・」


俺は、内心歯がみした。

そして、思った。


「俺は何のために頑張っていたんだ?」

「俺のこの2週間は、一体何だったんだ??」


検事は言ったのだった。


「もう少し大人になれ」

「わかったか?」


俺は、めちゃくちゃ悔しかった。

大人になるってどういうことなんだ?

俺には解らなかった。

しかし、頷くしかなかった。


俺は、警官側の調書に署名し拇印を押したのだった。

そして、この日の釈放が決まったのだった。

そして、俺は最後に検事に言われたのだ。


「お前の相手だった警官を恨むなよ」

「彼は、お前にやられて自信を失くして移動になったから、交番に行ってもいないからな」


俺は聞いた。


「俺がやった警官は、駅前の交番の人だったんですか?」


「そうだよ」


俺は、自分がやった警官の顔なんか憶えていなかったのだ。

駅前の交番の警官は、特に仲が良かった訳ではないが、毎日のように顔を合わせていたから良く知っていたのだ。

俺は、それなら逆に悪かったなと思ったのだった。


(つづく)

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