« 俺の道 ~自立編Ⅰ~ (27) | トップページ

2020年2月 9日 (日)

俺の道 ~自立編Ⅰ~ (28) <最終回>

(28)友との別れ

やっちゃ場仕事が無くなった俺は、その日から平日は構内作業、週末は引っ越しと、以前と同じように東建とトーケンの両方をやっていた。

そして、平日でも仕事が終わればトーケンに行き、2コ上のOと1コ下のE一、そしてYちゃんやT田さん、Hさんなどと毎日のように寝床と樹々で飲んでいたのだった。

この頃から俺は、仕事は東建がメインでも、友人関係はトーケンの仲間と過ごすのがほとんどだった。


それに伴い、地元花小金井の族仲間との付き合いは、たまに集会に顔を出す程度で、徐々に薄れていった。


その年の3月末日、いつもと同じように、俺はトーケンの仲間たちと寝床で飲んでいたのだった。

そして、寝床での飲みが終わり、これからYちゃんの樹々へ行こうとなった時、いつもは一緒に行くはずのOが、突然帰ると言い出したのだ。


Oの様子が何かいつもと違っていた。

俺は、Oに聞いた。


「どうした?」

「何かあったのか?」


Oはおもむろに言ったのだった。


「実は、今日が最後なんだ・・・」

「明日、水戸に帰る」


「なに?!」

「なんで?!」


Oは、実家の親父が倒れたことを告げたのだった。

Oの実家はクリーニング屋だった。


その親父は、Oの実の親ではなかった。

育ての親だった。

Oは親父と反りが合わずに水戸を出て来ていたのだ。


そのOが、帰ってクリーニング屋を手伝うと言った。

Oは、Oなりに悩み考え、出した結論だと直ぐに分かった。


俺は、叫んでOの胸倉を掴んで言った。


「てめぇ、ふざけんじゃねーぞ、この野郎!!」

「なんで今まで黙ってた!?」


「俺たちはマブダチだろーが!!」

「なんで言わなかった!?」


Oは何も言わず涙を流していた。


俺も同じだった。


俺は、Oのボディにパンチを一発入れた。

Oも俺のボディにパンチを入れ返して来た。


俺たちは笑い合った。

そして、俺は言った。


「何かあったらいつでも連絡して来いよ!」

「絶対に助けに行くからな!」


俺とOは抱き合った。

そして、俺は言った。


「明日は見送らねーからな」


「おう」


俺たちとOは、寝床の前で別れたのだった。


翌朝、Oはみんなが出社する前、一人水戸に帰って行ったのだった。


『俺の道』 ~自立編Ⅰ~ (完)


(『俺の道』 ~自立編Ⅱ~ につづく)

« 俺の道 ~自立編Ⅰ~ (27) | トップページ

俺の道 10代編」カテゴリの記事